“勝負気配”がもたらすWIN5への影響は!?

2013年09月07日(土) 20:00

 今週から4回中山と4回阪神が開幕し、秋季競馬に突入しました。2場開催なので、WIN5は中山9Rの木更津特別からスタート。発売締切時刻も先週までより早い14:25(JRAダイレクトは14:20)となっていますから、まずはお買い逃しのないようご注意ください。

 今週は秋季競馬の始まりであると同時に、夏季競馬の締め括りでもあります。4レース目のセントウルステークスはサマースプリントシリーズの、5レース目の京成杯オータムハンデキャップはサマーマイルシリーズの最終戦。どちらもまだシリーズチャンピオンは確定していません。

 サマースプリントシリーズは、セントウルステークスに出走しないフォーエバーマークが19ポイントで首位。逆転の可能性があるのはハクサンムーン(15ポイント)、シュプリームギフト(9ポイント)の2頭だけです。ハクサンムーンは自身が2着以内ならシュプリームギフトの着順に関係なくシリーズチャンピオン確定、シュプリームギフトは自身のセントウルステークス優勝が最低条件(+ハクサンムーンが3着以下なら逆転)となります。

 サマーマイルシリーズはフラガラッハが11ポイントで一歩リード。このまま京成杯オータムハンデキャップに無事出走し、競走中止や失格とならければ1ポイント以上を獲得できるので、シリーズチャンピオンの資格(12ポイント以上、かつ1勝以上)はおそらくクリアできるでしょう。あとは自身と他馬の着順次第。逆転の可能性があるのはミッキードリーム、レオアクティブ、ワイズリーの3頭で、いずれも自身の京成杯オータムハンデキャップ優勝が最低条件です。

 私は予想において“勝負気配”というファクターを重視しすぎないよう心がけていますが、こういう状況なら多少は気になりますし、少なくとも単勝オッズやWIN5上の支持率にはある程度の影響がありそう。予算などとも相談しつつ、買い目作りに適宜反映させようと思います。(伊吹雅也)


【井内利彰のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→阪神11R セントウルS
 過去3年のセントウルS優勝馬に共通する調教内容は「最終追い切り栗東坂路で2F24.9秒以下」というもの。上位人気はすべて、これに該当していますが、その中でもロードカナロア。
 安田隆行厩舎の勝負調教に該当しており、今年に入ってからの3連勝に共通する「1週前、レース週ともに併せ先着」にも該当しており、調教データからは隙がありません。

推奨馬:9.ロードカナロア

■今週の多点買いレース
→阪神10R 夙川特別
 過去3年のうち、近2年が標準坂路が勝っているレース。特に昨年は坂路調教馬が上位独占しています。
 スイートジュエリーは標準坂路で安田隆行厩舎の勝負調教に該当。最終追い切りの内容を見るかぎり、前走以上の状態。レギスは前走休養明けを叩いての標準坂路。同じく標準坂路のトップオブザヘヴン、リアリーサムシング。あとは、大久保龍志厩舎の勝負調教に該当したミッキーホワイトまで押さえれば。

推奨馬:1.スイートジュエリー、3.レギス、14.リアリーサムシング、15.ミッキーホワイト、16.トップオブザヘヴン


【古澤秀和のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→阪神10R 夙川特別
 レギスの前走は控えたことが裏目に。チグハグなレースになってしまった。
 ゴールドアリュール産駒で手先が軽いし、脚抜きの良い馬場も合っている。ここはメンバー的にもまず勝ち負けになりそうだ。

推奨馬:3.レギス

■今週の多点買いレース
→阪神11R セントウルS

 ハクサンムーンはメンバー的にどう考えても単騎逃げでスロー。いつも展開に恵まれることの多い馬だが、今回は更に恵まれそうだ。大外枠を引いたが他に行く馬もいないのでスンナリ行けるし、前哨戦ということ、ロードカナロアとの斤量差を考えれば、ここは逃げ切りまで十分ある。
 ロードカナロアは坂路の時計が素晴らしいが、走りを見るとやけに前脚が内に入っていたのが気に掛かる。動けているし、問題はないのかもしれないが、気になるところではある。斤量と展開を考えれば、取りこぼしがあってもおかしくない。
 ドリームバレンチノは前走の函館SSで惨敗しているが、当時の馬場は前と内が有利な馬場で、外目の枠を引いて差し脚質の同馬には不利な条件だった。今回は内目の枠を引けたし、馬群を割る瞬発力もあるのでこの馬にはぴったりの条件。上位争いは必至だ。

推奨馬:4.ドリームバレンチノ、13.ハクサンムーン、9.ロードカナロア


【伊吹雅也のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→中山9R 木更津特別
 昨年の4回中山芝1600mは、3歳以上、かつBコースで施行されたレースに限ると、前走の4コーナーを3番手以内で通過した馬が[0-1-2-21]。開幕週でも差し馬を重視すべきでしょう。注目は松岡正海騎手とカフェリュウジンのコンビ。中山芝1600mには実績がありますし、今回はメンバー構成にも恵まれた印象です。

推奨馬:8.カフェリュウジン

■今週の多点買いレース
→阪神11R セントウルステークス
 前走がサマースプリントシリーズ対象レース以外だったJRA所属馬は2006年以降[0-1-4-37]と優勝例なし。また、同年にJRA、かつ1400m以上のレースで優勝経験のあるJRA所属馬も[0-1-2-16]と苦戦しています。さらに、JRA所属、かつ牡馬かセン馬、かつ5歳以上の馬は2006年以降[0-1-0-44]と大不振。以上の3条件にすべて該当するロードカナロアは過信禁物でしょう。狙ってみたいのは牝馬のローガンサファイア、シュプリームギフト、ビウイッチアス、サマースプリントシリーズで好成績を収めたハクサンムーン。

推奨馬:5.ローガンサファイア、8.シュプリームギフト、11.ビウイッチアス、13.ハクサンムーン


【石橋武のWIN5見解】
■今週の「単勝二頭流」レース
→中山9R 木更津特別
 カフェリュウジンは、同コースの中山芝1600mで500万下を勝利。昇級後は出遅れなどもあり思うような結果を出せなかったが、前走で新潟マイルを先行から渋太く粘りを見せ、現級に目処を立てた。中山芝1600mでは2戦2勝と危なげなく勝ち切っており、ここも期待は大きい。

 ケイアイエレガントは、今回と同じ中山芝1600mで1000万クラスを勝ち上がり、1600万下昇級後も同じく中山マイルで行われた韓国馬事会杯で4着に善戦。同コースで先行した際の好走ぶりは高く評価できる。もともと連続での好走が今回は再度1000万クラスに降級したうえに開幕週の馬場。さらに以前はムラ駆け気質の馬で連続好走がないのがネックだったが、降級と本格化により3走前、2走前と連続好走。前走こそスタートで躓き流れに載れなかったが、最後はメンバー中最速の脚で追い上げてきた。先行有利の開幕週、得意のコースと好走条件の揃ったここなら先行策から強気に押し切る競馬で勝ち負けできる。

推奨馬:8.カフェリュウジン(人気馬)、3.ケイアイエレガント(穴馬)

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伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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