2013年09月13日(金) 18:00
毎年あまり出走数の多いレースではないのに、最近5年間のうち4回まで3連単は「500倍」以上。時期的に人気の中心になる4歳の上昇馬は、注目に応えて好走するが、そこにちょっと見放された感じの6歳以上のベテランや、しばらく不振の5歳馬が食い込んで難しくなるのがパターン。
今年もまさにそんな構図の組み合わせ。人気を2分するだろう4歳馬エックスマーク(父ディープインパクト)と、同じくディープインパクト産駒の4歳ディサイファは、ともにそろって凡走する力関係ではないが、2頭の馬連はおそらく恐ろしくオッズは低いだろうから、馬連に手は出せない。伏兵をどう絡めるかが問われる。
中心は関西の4歳馬エックスマークとしたい。
条件移動となった前回、着差こそ少なかったが、順当に勝ち上がってこの1600万条件に盛り返してきた。春はこのクラスで、3着(0秒2差)、5着(0秒3差)があり、軌道に乗ればこのままオープンに突入もある。
競走中止の前々回は別に、目下4戦連続して上がりは「34秒3-34秒5」。ディープインパクト産駒にしてはそれほどスパッと切れない印象があり、良績の集中する2000m以上だけで全4勝。2000m以上では凡走したことはない。
これはおそらく母方の影響と思われる。母ショアー(独2勝)は、ドイツのチャンピオンサイアー=アカテナンゴ(その父ズルムー)産駒。もちろんドイツ生まれ。 今週は凱旋門賞の前哨戦「フォワ賞」2400mにオルフェーヴル(スミヨン)が出走するが、2006年のフォワ賞をスミヨン騎手が乗って勝ったシロッコ(父モンズーン)は、母ショアーの半弟に当たる。シロッコはその直後の凱旋門賞は凡走。ディープインパクト(失格)から離されたが、2番人気だった。前年、ハリケーンランの勝った凱旋門賞で4着の記録があり、その年のフォワ賞は3着だった。
エックスマークは4歳でまだ通算14戦。内田博幸騎手のテン乗りになるが、切れるというより追わせて味のあるスタミナ内蔵型。合っていると思える。
対する同じ4歳のディサイファは、目下3連勝。やっぱりディープインパクト産駒で母の名前は「ミズナ」。父はドバイミレニアム(その父シーキングザゴールド)。それにしてもディープインパクトの相手になる牝馬は、ドイツ血統や、ストームキャットの牝馬や、このミズナのような輸入牝馬がほとんどだから、走らないわけがない。
ディサイファのここ2戦は函館だから時計は目立たないものの、3走前は東京で楽々と上がり33秒4。一気に相手強化の3連勝だが、切れ味の勝負に持ち込まれるとき、エックスマーク以上の鋭さ発揮がありえる。したがって、この2頭はほぼ同格。
難しいのは、点数は広げられないが、ありがちなレースのパターンを考えて、ベテランの絡ませ方。先行する候補は3-4頭いるが、強気に出るならハナを切れそうなマイネルグート(父ロージズインメイ)に魅力大。昨年のこのレース1分58秒6の小差4着は、他馬に行かれて本来の逃げ(先行)戦法が取れなかったときのものだけに価値がある。ここ3戦はスローの2-3番手で我慢しているが、今回は行く可能性が高い。デキはいい。
そのあと伏兵としての魅力は、1回早いかもしれないが、江田照騎手に戻って2000mなら変わりそうなトーセンジャガーと、小回りならの牝馬ダイワズーム。もちろん連の相手候補はほかにもいるが、エックスマークとディサイファから入るので、相手は絞りたい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。