コンスタントに走る血統・ガルデルスリール

2013年09月19日(木) 18:00 48

 滋賀県栗東市といえば、高速道路の栗東インターの看板に競走馬の絵が使われるほど競馬で有名な街。しかし、台風18号による災害で競馬以外で全国に報道されました。概報とおり、トレセンは台風当日に坂路等が閉鎖されたくらいで済みました。しかし、トレセンのすぐ近くは土砂崩れや河川の増水による浸水・冠水で被害を受けた家も多数。トレセン周辺は修繕作業を行う工事がいくつも行われているなど、大きな爪痕を残しています。

 わたし自身もほんのわずか、数メートル場所が違うだけで受ける被害が大きく違うことを身をもって知りました。この教訓を今後に生かしていければ、と思っています。

 さて。台風が栗東トレセンを襲ったその日、シゲルスダチに大きな変化が起こりました。先週、すごくリラックスしてオフモードだとお伝えしましたが…。台風がやってきたその日、スダチの様子が急変。

「前日までとてもゆったりしていたのに、台風の日から急に戦闘モードに入ってしまった」(塩満助手)のです。

戦闘モードに入ってしまったスダチ

戦闘モードに入ってしまったスダチ

 スダチが戦闘モードに入るとどうなるのか。パドックでいつも見せる様子、ありますよね?あれがずーっと続くかんじを想像してください。顔を振るときも、

ブン!ブン!!

 と音が出そうなほど、すごい勢いで顔をふります。出走予定の道頓堀Sまでまだ2週間近くあるというのに、こんなに気合が乗って大丈夫?と思わせるスダチ。よく言えば、元気がいいのです。

 右目上の傷もみるみるうちに回復して、多くの場所から毛も生えてきました。競走馬は“ガラスの脚”と言われるほど繊細なイメージがありますが…、スダチはホントにたくましい。生命力の強さを感じさせる珍しい競走馬です。

 そんなたくましいスダチなのできっと大丈夫でしょうが…。実は19日でシゲルスダチは塩満助手の手から離れます。塩満さんの担当馬であるサダムパテックが帰ってくるので、やむなくの担当替えです。今日までシゲルスダチが暮らしていた馬房には、明日からサダムパテックが入ることになります。というより、サダムパテックがずっと暮らしていた馬房にスダチが入っていた、と言ったほうが正しいかも。

 というわけで、20日からスダチは新しい担当者さんに引き継がれることになります。すでにスダチの性格やクセをしっかり伝授されているし、スダチのたくましさをもってすれば大丈夫でしょう。塩満さん、お疲れさまでした!

 2歳馬情報を少々。来週、梅田智厩舎のガルデルスリールがデビューします。9月上旬の新馬戦に出走を予定し調教を重ねていましたが、捻挫してしまったので延期を余儀なくされました。

「幸い軽い捻挫だったので数日休ませるだけで済みました。しかし、数日休ませたらデビューの日程は数週間延ばさざるをえません。急きょ、阪神の最終週に目標を切り替えました」(梅田智師)とのこと。

性格は「まじめ」なガルデルスリール

性格は「まじめ」なガルデルスリール

 デビューの予定は、9月29日の阪神・芝1400m戦とのことです。鞍上は藤岡康太騎手です。

 お姉さんはウインミーティア、ガルデルスリールは3番仔にあたります。

「2番仔のウインミーティアは少し短気なところがあって輸送するたびに体を減らしてしまう。その点、こちらのほうがゆったりしていますね。」(梅田智師)

 血統を見ると、1番仔はダノンフェニックス。祖母はウインドインハーヘアの1つ下の半妹にあたります。

「産駒はコンスタントに走っていますし、はやいうちから結果が出せそう」と梅田智師は期待を寄せていました。

 担当の田中助手に伺うと、性格は「まじめ」なんだそうです。顔は「決して美人ではないけど、可愛らしい」と、とても可愛がっていました。

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花岡貴子

デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)

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