神戸新聞杯

2013年09月21日(土) 18:00

 ローズSと秋華賞の強力な結びつきと同様、このトライアルと本番の菊花賞は、ほとんどセットにしてビッグレースのストックブックに収めないと意味が薄れるほど、強く連結している。

 神戸新聞杯の最近10年の上位3着以内馬に限ってさえ、ゼンノロブロイ、ネオユニヴァース、キングカメハメハ、ハーツクライからはじまって、ディープインパクト、ドリームジャーニーをはさみ、近年はエイシンフラッシュ、ローズキングダム、オルフェーヴル、ゴールドシップなど、名馬名鑑に名を連ねる逸材のオンパレードである。

 今年のメンバーは、この時点ではエピファネイア(父シンボリクリスエス・母シーザリオ)以外、まだ無名にも近い存在だが、やがては名馬辞典に名を連ねるような存在になって不思議のなくなるはずの、チャンスあふれるレースに果敢に挑戦してきた候補たちである。

 エピファネイアの優秀性はすでに十分に示されている。3連勝でラジオNIKKEI杯を制し、皐月賞は1分58秒1。日本ダービーは2分24秒4で乗り切っている。数字だけなら2冠馬であっても不思議ないが、今年に入ってからの3戦はすべて(0秒1差)だけ負けているところが、泣きたいような死角。道中で行きたがって自らロスを受け入れたり、大跳びのフットワークを生かし切れない不器用な一面が出ている。ダービーでも折り合いもう一歩、それが勝ったキズナとの差だったかもしれないほどである。勝負強くもない。

 あの不本意なレース運びで2分24秒4。キズナとの差は半馬身。
 今回の組み合わせなら、同様のレースを再現するだけで・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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