2013年09月24日(火) 18:00
見られましたか!ニエル賞挑戦のキズナ号。フォア賞に出走のオルフェーヴル号も見事な勝ちっぷりでしたね。 10月6日の凱旋門賞への期待が大きく膨らんできました。
佐々木:ありがとう!正直、勝って欲しいとは思いながらも勝つとは思わなかったんですよ。ゴール板きった時はびっくりしたし嬉しかったです。イギリスのダービー馬のルーラーオブザワールドと壮絶なたたき合いで競い合っての勝利。そしてフランスの人気馬フリントシャーにも勝ったことはとっても価値ある1勝だと思う。日本で調教された3歳馬では、欧州重賞制覇は史上初だそうですよ。豊ちゃんとキズナは凄いことやってくれたよね。オルフェーヴルがフォア賞連覇も凄いよね。一緒にレースできるのも嬉しいです。最大のライバルになりそうですね。
キズナTシャツ
佐々木:少し刈られていて日本馬向きになっていましたね。週中に雨が降って重馬場。キズナは、重馬場がちょっと苦手だったけど見事にクリア。タフな芝生も気にせずに走り、ここへ来てからたくましくなったように思う。豊ちゃんの手綱さばきも絶妙。凱旋門賞のレースにも慣れているしキズナの持っている力を最大に出し、あらゆる課題をクリアしていますね。いやいやキズナに新しい力をつけてくれパワーアップしています。豊ちゃん曰く「見えてきたな。日本のダービー馬の力です」とレースを終えてウイナーズサークルへ戻ってくる時に馬上からつぶやいたんです。ディープインパクトの沈んでから伸びるような軽い走りと母の父のストームキャットの力強さをもっていますね。
常石:ディープ産駒のなかでも馬体も大きいしパワーあるように思うんですが。
佐々木:非常に骨格がしっかりしていて重馬場でもへこたれないパワーを持っていますね。スロッピーな馬場でも両前脚を使いスッと横滑りをするような安定したフットワークで追い込んで、馬場状態に合わせてキズナ自身でフットワークの微調整をしている。また、後脚に比重をかけた走りもできる。とにかく器用なキズナですね。
常石:凄い器用な馬なんですね。斤量も有利なんですよね。
必勝祈願のお守り
常石:いつか聞いたことがあるんですが前検量を終えてから腹の具合が悪くなりトイレへ駆け込んでから騎乗。勝ったレースだったんですが、後検量で体重が軽すぎて失格になったことがありましたね。人によって違いますが発汗する汗の水分量も考え重量を考えないといけないですね。
佐々木:そんなことあったな(笑)誰だったっけ?
常石:いえません。(笑)でも勉強になりましたよ。豊さんは200mを12秒で乗る基準を持っているそうです。イメージして12秒を測定すると11.90秒でストップウォッチを押しました。誤差がほとんどないのでびっくりしました。騎手を26年しているそうですが体重や体型もデビュー時とほとんど変わっていないそうです。
佐々木:馬の健康管理も大事だけど騎手やスタッフの健康管理も大事なんだよね。特に外国へ行くと水や食べ物が違うので気を使いますね。今回はオーナーの配慮でおにぎりや味噌汁など日本食をたっぷり持っていっています。環境に慣れることでいいレースができるということだね。
常石:調教はいつから始めるんですか?
佐々木:1週間くらいで疲れが取れ、本番に向けての調教をして、100%の仕上げをしていきます。最高のトライアルになったのでスタッフみんな覚悟して凱旋門賞にむかいます。30日にフランスへ行きます。
キズナの応援フラッグ
佐々木:凱旋門という高い門に臨みます。勝つことはむずかしく簡単ではないと思いますが固い絆で繋いでいきます。楽しみにしていてください。
10月6日PM23時から放送されます。日本馬が1着でゴールを駆け抜ける瞬間を見ましょう。 つねかつこと常石勝義でした。[取材:常石勝義/栗東]
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常石勝義
常石勝義 1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。