スプリンターズS

2013年09月30日(月) 18:00

 チャンピオンスプリンター=5歳ロードカナロア(父キングカメハメハ)が期待にこたえてスプリンターズS2連覇を達成し、これで出走した短距離GI5連勝となった。

 今年5歳のロードカナロアは、ここまで5戦「GIII阪急杯1着、GI高松宮記念1着、GI安田記念1着、GIIセントウルS2着、GIスプリンターズS1着…」となった。さらにこのあと、GIマイルチャンピオンS(11月17日)か、GI香港スプリント(12月8日)。あるいは両レースに出走の可能性がある。

 一方、今週6日の凱旋門賞に挑戦する3歳キズナ(父ディープインパクト)は、今年ここまで5戦「GII弥生賞5着、GIII毎日杯1着、GII京都新聞杯1着、GI日本ダービー1着、GIIニエル賞1着…」であり、5歳オルフェーヴル(父ステイゴールド)の場合は、2戦「GII大阪杯1着、GIIフォワ賞1着…」というのが今年の成績。

 凱旋門賞の結果や、香港スプリントの結果、さらには、オルフェーヴルとキズナは、ジャパンC出走は帰国検疫の関係で日本馬にはやや苦しいが、順調なら12月22日の有馬記念に凱旋出走して不思議ない。そこでの結果を予測し、早くも、「年度代表馬」の行方が喧々諤々(けんけんがくかく)、これまで経験したことのないほど大きな注目を集めるだろう、とささやかれはじめた。エルコンドルパサー、スペシャルウィークの1999年など、今年に比べれば、おじさんたちの井戸端会議だったとされるくらい激しく論議されるのではないか、と思われる。

 オルフェーヴルは、凱旋門賞を人気にこたえて勝ち、さらに有馬記念も勝つくらいでないと、年度代表馬の権利が生じる「最優秀古馬牡馬」のタイトル獲得からして困難になるから、実は、年度代表馬の目はほとんどないだろう…とか。GI勝利数を最優先させるべきである、とか。スプリンターズSと、日本ダービーは同じランクのGIではない、とか。でもそういうぜいたくな悩みならみんな大歓迎。有馬記念終了後の、競馬ファンならではの楽しみである。

 チャンピオンの座が、基本的にポイント制(GIは10ポイント、GIIは5ポイントなど)で争われるなら、もうロードカナロア(GI勝)が断然トップだが、競走の価値はポイントや賞金額によるだけではない。みんなの考え方が違い、意見や持論が異なるのがJRA賞の行方であり、全国の競馬ファンやサークル全体に与えた熱狂の貢献度も重要になる。

 オルフェーヴルがぶっちぎって凱旋門賞を制し、世界の競馬ファンを驚かせる。しかし・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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