2013年10月10日(木) 18:00 44
先週の凱旋門賞、凄く見ごたえのあるレースでしたね。日本馬2頭の精一杯のチャレンジ、本当にお疲れ様でした。日本時間では夜中のスタート、さらにあの内容でしたから眠れない方も多かったのではないかと思います。
気になったのは勝負どころでオルフェーヴルのピッタリ外をキズナが走っていた件。たしかにキズナがオルフェをブロックしたようにも見えます。でも、勝負の世界。あのくらいはやって当然、とも思います。
そこで、この件について信頼して話を聞く栗東の関係者の方々に聞いてみたんです。すると、揃って「キズナが勝とうと思ったら、あそこでああやって上がっていくしかないから豊さんのコースどりは当然のこと。それが勝負というもの」
という返事が返ってきました。日本馬同士でラインを組んでいるわけではないから、あれで当然、と。
その返事を聞いて、すごくスッキリしました。日本馬が海外でチャレンジしている姿に、どうしても”がんばれニッポン!”的な贔屓をしてしまいがちです。まぁ、ファン目線で日本馬だけを見るのもいいでしょう。
でも、そんな気持ちで世界では勝てない。それが正論だと思うのです。
アウェーで勝つ。いつか、日本馬が凱旋門賞を勝つ姿を見てみたい。その夢は、また来年以降に持ち越しですね。
さて、先週デビューしたレーヴデトワール、ぎりぎりの勝ち方でしたが強かったですね。正直、かなりの余裕残しの状態での出走だったので初戦は大丈夫かな?と心配でしたが。なんのその、きっちり勝ち上がりましたね。レース前、松田博師は「この兄弟は新馬戦に強い。みなデビュー戦を飾っている」
先週デビュー勝ちを収めたレーヴデトワール
と言っていましたが、そのとおりになりました。調教では抜け出してから気を抜いていたので、そのあたりがレースではどうでるかな?と思いましたが。競馬では実にスムーズに相手をかわしていました。本当によかった。
レース後のレーヴですが、とても元気。そして、ぽわんとしていた表情がキリッとしてきいたように感じます。次走は萩Sとのこと。ひと叩きされて、確実によくなっていることでしょう。とてもとても楽しみです。
ちなみに凱旋門賞は今年も3歳牝馬が勝ちました。レーヴデトワールやハープスター、そしてこれから入厩するサングレアル。松田博厩舎で来年3歳を迎えるこの3頭の牝馬たち。この中のどれかが凱旋門賞へ行って欲しい!当然、勝手ながら思ってしまいますよね。そんな話を松田博師にぶつけたところ、
「自分としては行くなら2頭で行きたい。1頭だと淋しがるだろうから」
という返事。うわっ!1頭だけでもすごいのに2頭!!と、わたしが浮かれたリアクションをすると、
「遊びに行くわけじゃないんだから」
と釘をさされました(苦笑)。そのくらい、わたしははしゃいで返事していたんでしょうね(汗)
「もちろん、それだけの結果を残したらの話さ。ブエナビスタだって札幌記念で負けたから(凱旋門賞には)行かなかった。札幌記念で負けるようでは(凱旋門賞へ)行っても意味はないから。」
なるほど。来年、松田博厩舎の3歳牝馬が”海外挑戦できるだけの結果”を残したなら、それだけ強い馬に育ったなら、ロンシャンで彼女たちが走る姿が見れるかもしれないのですね。
来秋の話より、まずは目の前の話。今年の2歳馬は牝馬が多く勝ち上がっていますが、それについては「それだけ牝馬の層が厚いなら、裏をかえせば牡馬のほうがメンバーが薄いということ。だから、朝日杯に行く手もある。」
うわっ!またまたわたしは浮かれたリアクションをしてしまい、松田博師に苦笑いされるのでした(苦笑)。でも、こちらの話は現実になる可能性が極めて高いと察します。どの馬がどう駒を進めるのか、これから慎重に検討されるでしょう。結論は楽しみに待つことします!
今週は秋華賞。ティアーモがとても気になります。
厩舎で見たときは、本当におっとりしていて。近くで撫でまわしても大丈夫では?と思えるほど可愛らしい馬なのですが。競馬にいくと抜群の勝負根性を見せますよね。
「このギャップがいい。調教では跨った騎手たちが『ほんとうに大丈夫?』というくらいに驚くほど走らない。だけど、競馬では能力を出すでしょ」と藤岡健師。
伸びしろもあるし、何より競馬でコンスタントに力を出せるのがいいですよね。
「カイ食いも心配いらないし、先行力もある。レースが上手いから京都の内回り、芝2000はピッタリなんだ」(藤岡師)
じゅうぶんチャンスはあるティアーモ
キャリア4戦ですが、じゅうぶんチャンスはあると思いますよ!
花岡貴子
デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)