2013年10月25日(金) 18:00 41
台風27号の影響は、近畿地方では暴風の心配はなくなり、どの地域にどのくらいの雨量が見込まれるかに変わった。京都の雨量は心配されたほどではなく、土曜日の雨予報は出ていない。スワンSのころには、少し時計がかかる程度の「やや重」か。
1分20秒5-7くらいの勝ち時計を想定して、スピード能力にパワー兼備の上がり馬ラトルスネーク(父タニノギムレット)を狙いたい。
種牡馬タニノギムレット(その父ブライアンズタイム)の代表産駒といえば、それはもうウオッカであり、そのあとは大きく離れて、スマイルジャック、オールザットジャズ…あたり。もちろんランキング10位台の種牡馬らしい活躍馬はいるが、しかし…である。ブライアンズタイム系は、ライバルだったサンデーサイレンスの広げた父系と並ぶべくもなく、あまり発展しない。ましてタニノギムレットには、かなり古典的、かつ個性的なリボーのクロス、シカンブルのクロスがあったりするから、もともと平均点の高い産駒を送れというほうが無理筋でもある。中に、ウオッカのような大物が含まれれば、実は、それが期待通りであり、予測どおりなのである。
ラトルスネークは脚部不安の長期休養が2回もあり、もし秘める大きな可能性があるとしたら、もう5歳の秋ではあるが、まだ遅くない。これから…の期待ができる。
前回の東京1400mは、コースレコードタイの1分19秒6。ほかにこのメンバーで1分19秒台があるのは、マジンプロスパーの1分19秒9だけ。ラトルスネークの1分19秒6のレースバランスは「34秒5-(11秒0)-34秒1」。先行勢が飛ばして引っ張ったからではなく、抜け出したラトルスネークは上がり33秒3。最後はさらに伸びて「11秒6-11秒5」。2番手以下を4馬身も引き離している。
器用なタイプではない。折り合い難もある。だが、こういうちょっと難しい馬に気を抜かせず、ピシッとレースに集中させたI.メンディザバル(主にフランスで騎乗)にまさにドンピシャ、ぴったり合っていたというしかない。全5勝がこの芝1400m。2勝目を記録した3歳春には逃げるロードカナロアをきっちり差した1勝もある。
母ワシントンシティは、パートI国チリの1000ギニー、オークス馬。その父ワゴンマスター(父レインボウクウェスト)は、英12FのGII-IIIを3勝のほか、GIキングジョージVI世&クイーンエリザベスSの3着もある。サンプリンセス、バレークイーン(フサイチコンコルド)と同じ一族である。
牝系は快速系ではなくパワー、スタミナ型。したがって、少し時計を要する得意の1400mなら、GI級相手に大仕事も決して不可能ではない、と期待したい。
人気のマジンプロスパー、グランプリボスは一応は買うが、先週の京都は重、不良でもインを通った馬断然有利だった。一番の相手妙味はアドマイヤセプター。インに詰まったスプリンターズSはたった0秒2差である。1400mも四位騎手も合っている。
レッドオーヴァル、サンカルロ、ダイワマッジョーレもみんな1400mでこそ、距離1400mなら、の伏兵。手を広げておきたい。
柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。