明日はある程度の方針は固めておき、余裕をもって馬場傾向を観察しよう!

2013年10月26日(土) 20:00

 先週10月20日のWIN5は2万9450円の超低配当決着。すべてのレースで単勝2番人気以内の馬が勝ったうえ、5レース目の菊花賞を単勝オッズ1.6倍(単勝支持率約52.5%)のエピファネイアが制したことから、的中票数は1万9911票に上りました。なお、単勝支持率通りに残り票数が減っていったと仮定した場合の配当理論値は約6万円。実際の配当はその半分以下だったことになります。

 ちなみに、優勝した5頭の単勝オッズを単純に掛けていくと約275倍。100円がおよそ2万7500円になるということですから、実際の配当とほぼ変わりません。控除率が違うため、本来ならWIN5の配当は同じ5頭を“単勝コロガシ”した場合と比べて2倍強になる計算。WIN5と“単勝コロガシ”がほぼ同額というのはなかなか起こりえない事態で、それほどこの回は的中組番に人気が集中していたのです。狙って的中させた方には十分な配当だったかもしれませんが、「賭けるたびに金額を調整できる」「途中のレースでやめることもできる」といった“単勝コロガシ”のメリットを捨ててしまい、それでいて配当は大差なかったわけですから、結果的には「WIN5でなく“単勝コロガシ”を選んでおくべきだった」と言えるでしょう。この回に限らず、人気サイド同士の組番は「わざわざWIN5で買うよりも“単勝コロガシ”の方がおトク」という状況になりがち。適宜使い分けるのがベターだと思います。

 明日10月27日のWIN5は総出走頭数が71頭、総組み合わせ数が53万3120通り(土曜16時現在)。過去のWIN5と比べれば標準的な数に過ぎないものの、今月に入ってからはもっとも総組み合わせ数が多い回となりそうです。天候の影響も気になるところですが、ギリギリまで見極めたせいで買い目の構築が雑になるようでは本末転倒。ある程度の方針は事前に固めておき、余裕のある状態で当日の馬場傾向を観察すべきでしょう。(伊吹雅也)

【井内利彰のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→京都11R カシオペアS
 過去5年のうち、11頭立てで行われたのは3回。その優勝馬の調教タイプは連闘トラック(08年)、標準併用(09年)、標準多めトラック(10年)。頭数が少なくなると、トラック調教の要素が必要となり、レースの流れに乗ることが最重要となります。
 馬ナリ平均併用のセイルラージ。調教タイプは文句なく、これは藤原英昭厩舎の勝負調教にも該当しています。

推奨馬:6.セイルラージ

■今週の多点買いレース
→新潟11R 轟S
 先週も多点買いレースに指定した直線競馬。坂路調教馬の好走は皆無で、ここに取り上げた馬は凡走しました。しかし、基本的には坂路調教馬に適性が高い条件。引き続き、坂路調教馬を取り上げます。
 まずはエイシンラトゥナ。初直線ですが、今週の最終追い切りで、13秒台のラップを4回刻み続けたように、テンからスピードを出し、それを継続する能力には長けています。この馬だけでもいいような気がしますが、一応、押さえるなら、アンヴァルト、レオパステル、ローブドヴルールといった坂路調教馬。

推奨馬:3.ローブドヴルール、8.レオパステル、9.アンヴァルト、10.エイシンラトゥナ

【古澤秀和のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→京都10R 西陣S
 前走は休み明けで昇級初戦。馬体はある程度できていたが、行きっぷりが悪く、いかにも休み明けという内容だった。
 叩いた効果は大きいし、ゴールドアリュール産駒で脚抜きの良い馬場は合う。
 ここはメンバー的にも勝ち切れると見たい。

推奨馬:6.グレイスフルリープ

■今週の多点買いレース
→東京11R 天皇賞・秋
 エイシンフラッシュの前走は得意の上がり勝負で3ハロン32.8秒の脚を使って完勝。健在ぶりをアピールした。今回は更に馬体が良くなっているし、調教の反応も素晴らしかった。ジェンティルドンナは強いが、今の充実ぶりなら負かせるだろう。
 ジェンティルドンナはいつもの休み明けよりも仕上がっている感じだが、調教の迫力としては絶好調時には及ばなかった印象。叩いて次の方が良くなりそうだ。ただ、能力的に上だし、無様な競馬をすることはないだろう。
 トウケイヘイローはマイペースで行ければ強い。ただ、今回は相手がかなり強いし、ある程度突かれる展開にもなりそう。馬場が内から乾いて内伸びになっていると残る可能性はある。
 ダノンバラードは前走時よりもかなり良くなっているし、馬場も展開も合いそう。チャンスは十分ある。

推奨馬:6.エイシンフラッシュ、9.ジェンティルドンナ、11.トウケイヘイロー、16.ダノンバラード

【伊吹雅也のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→京都10R 西陣S
 今年の4回京都ダート1200m(10月26日終了時点)は、1000万下から上のクラスのレースに限ると、前走がJRAのレース、かつ前走の4コーナーを5番手以下で通過していた馬が[1-1-1-31]といまひとつ。先行力のない馬は割り引きたいところです。また、1〜5番枠の馬が[2-3-3-12]と安定していました。注目は浜中俊騎手とケージーハヤブサのコンビ。このメンバー構成なら実績上位ですし、脚質や枠順も申し分ありません。

推奨馬:2.ケージーハヤブサ

■今週の多点買いレース
→京都11R カシオペアS
 芝1600〜2400mのJRA重賞で3着以内となった経験がない馬は2005年以降[0-2-3-33]。実績馬を重視すべきでしょう。狙ってみたいのはJRA重賞で好走経験があるミヤジタイガ、アグネスワルツ、ミキノバンジョー、スピリタス。先行力があるアグネスワルツやミキノバンジョーは展開に恵まれる可能性も高そうです。

推奨馬:1.ミヤジタイガ、2.アグネスワルツ、3.ミキノバンジョー、10.スピリタス

【石橋武のWIN5見解】
■今週の「単勝二頭流」レース
→京都11R カシオペアS
 セイルラージは全5勝中、京都芝コースで4勝を挙げるコース巧者だ。戦績からは1800mよりは1600mというタイプに見えるが、以前と比べると随分と落ち着きを増しており、折り合いに心配はなさそう。この距離でも十分に戦えるはずだ。得意の京都替わり、叩いた上積みとプラス材料が多く、順当なら同馬で決まるだろう。

 カネトシディオスは、休み明けの前走が久々にいい競馬。春は馬体重が安定しなかったように、体調面に不安があったのだろう。夏の休養で立て直してきたのは好感が持てる。このところ京都コースでの出走が少なく、ここ1年で2回ほどしか走っていないが、スワンSで勝ち馬から0.4差の7着、洛陽Sの0.3差の2着と、なかなかの結果を出している。ひと叩きした上積みも含め、激走を期待したい。

推奨馬:6.セイルラージ(人気馬)、5.カネトシディオス(穴馬)

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伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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