2013年10月30日(水) 18:00
10月29日(火)、門別競馬場で全国から今年のダービージョッキー9人が一堂に会しての「2013ダービージョッキーズスペシャル」が行われた。
グランシャリオナイターとして全日程をナイターで開催し始めて今年で5周年になるのを記念して企画されたこのレースには、JRAから武豊騎手を始め、内田博幸騎手、南関から左海誠二騎手、その他山口勲騎手(佐賀)、坂本哲也騎手(園田)、高松亮騎手(岩手)、児島真二騎手(愛知)、永森大智騎手(高知)、そして地元ホッカイドウ競馬から服部茂史騎手の計9人が顔を揃えた。言うまでもなく、いずれも今年の各地のダービージョッキーたちだ。
第11レースにサラ系A2下の出走馬が用意され、「サッポロビール杯2013ダービージョッキーズスペシャル」と名称がつけられた。距離2000m、1着賞金100万円。
パドックを周回する武豊騎手
何といっても人気はやはり武豊騎手である。周知の通り今年は、キズナで日本ダービーを制し、秋には同馬とのコンビで凱旋門賞に挑戦してきたばかり。今回のこの企画は武豊騎手の参戦が決まったことで実施の目途が立ったとも聞く。
出走馬と騎手は以下の通りであった。
1.レオニダス(山口勲) 2.サクラルーラー(左海誠二) 3.デルマジュロウジン(内田博幸) 4.ゴッドフローラ(坂本和也) 5.グッドグラッド(高松亮) 6.パシコジュリエ(服部茂史) 7.ビーボタンダッシュ(児島真二) 8.モリデンクーバー(武豊) 9.ウェザーサイド(永森大智)
キャロットファームの勝負服の内田博幸騎手
小林祥晃氏の勝負服の服部茂史騎手
人気を集めたのは1番レオニダスの2.4倍。続いて3番デルマジュロウジンの3.1倍。5番グッドグラッドの4倍と続き、武豊騎手の騎乗するモリデンクーバーの5倍が4番人気である。やや人気が割れており、予想の難しいレースとなった。
各騎手が集まり、それぞれ騎乗すると一斉にカメラのシャッターが切られた。武豊騎手はキズナに騎乗した際の前田晋二氏の勝負服に身を包む。内田博幸騎手はクリソライトでJDDを制した時の(有)キャロットファームの勝負服だ。また地元の服部茂史騎手はミータローの小林祥晃氏の勝負服で登場した。
ダービージョッキーが騎乗した各馬はすぐに馬道へ消えた。この頃からパラパラと細かな雨が降り出してきた。この日の門別は低気圧の接近により平年よりも暖かな夜だったが、せっかくのレースに雨とは・・・と思わず空を見上げてしまった。
記念すべき第1回目の優勝は武豊騎手
最終4コーナーを回ったところで先頭が入れ替わり、モリデンクーバーがゴッドフローラを交わすと、そのまま4分の3馬身差でゴールインした。2着は直線でよく追い込んで来たレオニダス、3着にはグッドグラッド。終わってみれば、当代随一の人気騎手が記念すべき第1回目のダービージョッキーズスペシャルを制したのであった。
降り出した雨のために、当初は表彰式をスタンド内で行うらしいことが聞こえてきたが、幸いにもこの時間帯だけは雨が上がったことから、またウイナーズサークルでの表彰式に変更された。
ウイナーズサークルでの口取り風景
武豊騎手にサインを求めるファン
なお、このダービージョッキーズスペシャルが終わるのを待ち構えていたかのように、最終12レースの時にはまた雨が降り出した。
この日、門別競馬場は去る10月10日に行われた交流重賞「エーデルワイス賞」の日よりも多い2億7011万円を売り上げた。入場人員は993人。武豊騎手は「また来週、門別に来ます」とインタビューに答え競馬場を後にした。次回の交流重賞である11月7日の「北海道2歳優駿」に騎乗することになっている。あまり寒くならないことを祈るばかりだ。
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田中哲実
岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。