エリザベス女王杯、データが後押しする馬は?

2013年11月09日(土) 12:00 25

 今週のエリザベス女王杯から年末の有馬記念まで、7週連続のG1開催。そのすべてで私流のデータ分析をご披露するかどうかは未定ですが、とりあえず今週はやります(懲りもせずにね)!

 エリザベス女王杯が古馬混合となったのは1996年。以来、去年までの17回で、同年の秋華賞優勝馬は10頭が出走して2勝(02年ファインモーション、07年ダイワスカーレット)、2着2回、3着1回。連対率.400、3着以内には5割の確率で来ているとはいえ、勝率はわずか2割です。スティルインラブが2着に敗れたり(03年)、アパパネが3着に終わったり(10年)、「これは」と思うような馬が勝てなかったこともあります。メイショウマンボは人気になるでしょうが、過去の傾向からすると絶対視は禁物。とくに単勝や馬単、3連単の頭で買うのは危険、と言ったら言い過ぎですかね?

 一方、ここ17回で8頭が出走し、2勝(勝率.250)、2着3回(連対率.625)と、同年秋華賞優勝馬より好成績を残しているのが、前走が京都大賞典だった馬。連対した5頭と京都大賞典での着順は以下のとおりです。

96年優勝・ダンスパートナー=4着
97年2着・ダンスパートナー=2着
09年優勝・クイーンスプマンテ=9着
同年2着・テイエムプリキュア=14着
10年2着・メイショウベルーガ=1着

 こうして並べると、09年の京都大賞典で惨敗した2頭によるワンツーフィニッシュが際立って見えてきます。牡馬相手の着順を甘く考えてはいけないのかもしれません。今回、京都大賞典からは8着のヴィルシーナと9着のオールザットジャズが出てきました。その成績を度外視して狙ってみる手はありそうです。

 実はヴィルシーナには、もう1つ強調材料があります。同馬は、3歳だった去年のエリザベス女王杯で2着に入りました。ここ17回の同レースで3歳時に3着以内に入り、翌年も出走してきた馬は8頭。そのうちの5頭が、翌年も3着以内に来ています(4頭は前年と同じ着順。もう1頭は1着→2着)。

 さらに、3、4歳時に続けて3着以内に来た5頭と、4歳時は4着以下に敗れた3頭を分ける要件もハッキリしています。それは、3歳時のエリザベス女王杯から翌年の同レースまでの間に重賞を勝っているかどうか。重賞勝ちがあれば翌年(4歳時)も3着以内、なければ4着以下。これを発見したときには、我ながら「へぇー」って思っちゃいました。このデータを信用すれば、今年のヴィクトリアマイルを制したヴィルシーナは買い、ってことになります。

 まぁ同馬は、誰が見ても有力候補の1頭。こういうデータを持ち出すまでもないんでしょうが…。ひとまず私は、メイショウマンボを相手に回して、こちらを狙ってみようと思っています。

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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