2013年11月21日(木) 18:00
◆後藤騎手も「感動した」シゲルスダチとの再コンビ
先日、東京競馬場で行われた奥多摩S。シゲルスダチへの声援、ホントにすごかったですね!わたしもずっとパドックで見ていたのですが、あちこちからスダチの話をしている声が聞こえました。
シゲルスダチはいま条件馬の身なのに、これだけ多くのファンの皆さんに支えられて本当に幸せものだなぁと思った次第です。
レースですが。距離は最近は1200m戦を中心に使われているだけあって、今のスダチには少しだけ長かったですね。NHKマイル当時なら戦う相手も同世代だけだし、まだスダチ自身の走りも完成されていなかった。だから、マイルでも勝負になりましたが…。それだけスダチも成長しているし、自分のスタイルを確立したといえるでしょう。
前走こそ出遅れましたが、もともとスダチのスタートは悪くありませんから。普段の1200m戦の調子でスタートを切れば、当然ながら1400m戦のメンバーの中に入れば“速く”なり、自然とポンと先頭に出るかたちになりました。後藤騎手は少し抑えていきたいと考えていたそうですが「あまりに気分よく行ったので、そのまま行かせた」そうです。
かなり軽快に、気分よさげに飛ばしていたので、このままゴールまで先頭をキープできないかな!?と願いましたが…。やはり東京の直線は長かった(苦笑)。それでも、あの落馬したポイントを通過して最後まできっちり走りきる姿には胸が熱くなりました。後藤騎手自身も「感動した」そうですよ。
「あの落馬の瞬間から、自分の中でひとつの時計が止まったままだった。でも、あのレースでふたり一緒に東京の直線を走れたことで止まった時間を進めることができた。本当によかったよ。」(後藤騎手)
スダチに騎乗した後藤騎手は「止まった時間を進めることができた」
スダチのレースぶりについては、「NHKマイルの頃より確実に競馬が上手になっているね。最後もさすがに多くの馬に追い抜かれたけれど、それでもゴールするまでスダチなりに一生懸命走っていたよ」(後藤騎手)とスダチの心身の成長ぶりを肌で感じていたようでした。
大はしゃぎのスダチくん、レース当日深夜に栗東トレセンに帰厩。翌日はさすがに疲れを見せたそうで与えられたカイバを完食できずに寝ていたそうです。しかし、そうやって自分をしっかり休ませることは、スダチはとても上手。一日だけしっかり休んだら、月曜日にはケロッとしていました。カイバもたいらげ、とても元気そうでしたよ。
しかし、今回はレース後に放牧に出ることになりまして。火曜の朝、放牧先の牧場へと旅立ちました。その牧場はスダチはこれまでも何度か行ったことがありますし、トレーニングもできるところです。だから、完全休養というよりは、しばしのあいだのリフレッシュ放牧では?と察します。
今シーズンのスダチはこれまで違って大崩れもせず、毎回何らかの課題をクリアして頑張ってきました。後藤騎手も「また機会があったら、ふたりで一緒に走りたい」と話していました。お休みを終えて、またフレッシュな状態で戻ってくるスダチに会えるのを期待しましょう。
◆サングレアルは来週デビュー
ブエナビスタの妹・サングレアルは来週のデビューに備えて着々と乗り込まれています。デビュー戦は11月30日の阪神競馬、芝1600m戦。鞍上は岩田騎手の予定です。体調はよさそうですし「今週末も15-15程度をやって調整していく」(松田博師)とのことでした。来週の追い切りはもう一度、岩田騎手が乗って感触を確かめる可能性もありますね。気性は走ることに対して前向きですし、歯の成長が遅いことで心配されたカイバ食いもまずまずのようです。期待するなというほうが無理な話、ですよね。
サングレアルは岩田騎手でデビュー予定
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花岡貴子
デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)