スローなら最後の爆発力で/ジャパンC

2013年11月23日(土) 18:00


◆ジェンティルドンナは連覇可能か

 第1回のメアジードーツから、32回の勝ち馬ジェンティルドンナまで、ジャパンCに出走した牝馬の成績は、【6-8-6-55】。

 出走数は全体の約15%にとどまるが、牝馬の快走する割合は、男馬のそれよりずっと高い。全連対馬の約22%までが牝馬である。凱旋門賞でもみられる傾向だが、遠征したり、慣れない馬場だったりしても、牝馬の方がずっとタフな精神力をもち、ひよわそうに見せて実は強靭なのである。ジャパンCができて、いろんな国の名馬が来て分かったことの一つである。

 注目のジェンティルドンナの2連覇は可能だろうか? まだ、ジャパンCを連勝した馬はいないが、エアグルーヴは「2、2着」、ウオッカは「4、3、1着」、ブエナビスタは「降着2着、1着」。男馬のエース級より、やっぱり牝馬の方がタフに思える。今年、強敵は明らかに少ない。連続の連対も、連覇も十分あるだろう。

 スローペースが予測されている。厳しいハイペースと思われたのに、みんな競るのを避けてスローになることはあるが、この距離でその逆はめったにない。どの馬が先導することになっても、緩い流れ必至だろう。

◆スローペースなら最後の爆発力で

 東京の2400mのスローは、スパートの場所やタイミングが難しい。早め早めに進出するのが正解とも限らない。同じような広いコースで行われた10月の京都大賞典2400mが、2分22秒9の快時計で決着したのに、中身は、前半かなりスローだった。「1分13秒8-1分09秒1」がそのレースバランスである。そこで・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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