追い切り絶好、狙う価値十分/朝日CC

2013年12月06日(金) 18:00


◆はっきりと出た傾向

 昨2012年から12月2週目の「阪神1800m ハンデ」に変わったこの重賞は、それまでこの時期に行われていた、「鳴尾記念1800m」とほぼ同じ。

 別定重量がハンデ戦に変わって、時季も異なるから、レースの特徴を考えるなら「03〜11年」は鳴尾記念、昨「12年」は新しい朝日CCを対象にするのが妥当か。

 ハンデの1800mとあって、3歳馬から8歳馬まで6世代もの馬が出走するが、過去10年間、3着以内に入った31頭(3着同着が一度ある)を年齢別にすると、

3歳馬…11頭
4歳馬…7頭
5歳馬…7頭
6歳馬…4頭
7歳馬…1頭
8歳馬…1頭

 となって、明らかな差が生じた。当然といえば当然。ハンデ戦だから渋いベテランも軽視できないが、猛烈に世代交代が進んでいるのが、「特殊性」を問われないごく一般的な距離1800mのこういうGIII重賞なのだろう。

 追い切り絶好と映った3歳テイエムイナズマ(父ブラックタイド)を狙いたい。今年、たまたま3歳の出走馬はたった「4頭」だけ。うまく一番成績がいいのは3歳馬。そういう傾向が当てはまるとしたら、的中は遠くないかもしれない。

 不良馬場の菊花賞は、馬場が合わないうえに、もともと距離も合っていないと思えるから11着(16番人気)だが、春の皐月賞は14番人気で6着(0秒7差)。日本ダービーも14番人気で6着(0秒4差)。3冠レースで人気よりずっと走っている。

 なんとなく地味で人気にはならないが、内容はなかなか。人気を考えれば立派なものである。日本ダービーではロゴタイプとわずか0秒1差であり、どこに出走しても必ずそこそこには来る。今回も対戦するタマモベストプレイ(父フジキセキ)には、クビ、ハナの小差とはいえ先着しているのである。

 母方は多くの馬が輸入されたリーラークの名牝系で、それにふさわしく母の父はダンチヒ、祖母の父マジェスティックライト。ラウンドテーブル産駒の3代母は、輸入種牡馬デュール(皐月賞馬ビンゴガルーなどの父)の全妹である。1800m前後向きだろう。まして54キロの軽量。狙う価値は十分すぎるほどある。

 強敵は、前回対戦して(重馬場もあって)負けている同じ3歳ラウンドワールドと、前出タマモベストプレイ、そして3連勝中の好調4歳馬アルキメデス。ハンデ戦だから、もっと手を広げる必要はあるが、相手主力はこの3頭としたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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