2013年12月07日(土) 12:00
◆ダートのスプリント路線の改善を!
今回のテーマは、日本のダート重賞について。3日付けの東スポに掲載された私のコラム「競馬雑記帳」の内容と少々かぶることをお許し下さい。
2日に発表された2014年のダートグレード競走の日程によれば、中央・地方あわせて12のG1競走が実施されます。その条件と距離は以下のとおりです。
(1)4歳(6月以降3歳)以上・2000-2100m=4競走 (2)同1800m=1競走 (3)同1600m=3競走 (4)同1200m=1競走 (5)4歳以上牝馬限定・1800m=1競走 (6)3歳限定・2000m=1競走 (7)2歳限定・1600m=1競走
こうして見ると一目瞭然なのが、12競走中11競走までが1600m以上、逆に言えば1200m戦は1競走(盛岡のJBCスプリント)しかない、ということ。しかも中央にはありません。ダートにもスプリンターが大勢いると思うんですけど、これは不公平じゃないですか?
とにかく、ダートのスプリント路線にはまだまだ改善の余地がかなりあるはずです。JBCスプリントでさえ、これまで12回のJBCのうち1200mで行われたのは6回だけ(1190mを含む)。あとは1000mが1回ありましたが、ほかは1400mだったりマイルになったりで、短距離のスピード比べとはちょっと毛色の違うレースになっていました。ここはなんとか、毎年必ず行われる1200mのG1を作ってほしいと思います。
それじゃあ、その舞台としてふさわしいのはどの競馬場か。地方でやるとすれば大井か盛岡、中央なら新潟か中京でしょう。JBCとの兼ね合いも考慮に入れると、夏の終わり頃に新潟で開催するというのはいかがですか?ダートのスプリントを勝った馬がスプリンターズSに向かうこともできますし、大井の東京盃とJBCスプリント(1200mではない時が問題ですが)と合わせて“ダートスプリント3冠シリーズ”なんていうものも立ち上げられるかもしれません。
もうひとつ、芝の上からスタートするフェブラリーSをどうにかしてほしいとも思っています。例えば、川崎記念を1600mにしてフェブラリーSを2100mにすればその問題はクリアできるでしょう。ただし、そうすると中央で1800m以上のG1が2つ行われることになり、距離的な偏りが生じてしまいます。だったらいっそのこと、フェブラリーSを1400mにする手もあります。地方に多い1400mの距離で頂点を極めるレースという位置づけもできると思います。
いずれにしても、ダート重賞競走の番組設定には、中央と地方の連繋が欠かせません。中央だけで決められる芝のレースとはワケが違うのです。関係者のみなさんのさらなるご尽力を期待します。
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。