2013年12月13日(金) 18:00
◆まだ「イメージ」がない中京オープンの2000m
新装なって約2年になろうとする中京競馬場の「2000m」では、この愛知杯はまだ2回目。春の「中日新聞杯」も2回行われただけなので、オープン馬の2000mのレースイメージがないに等しい。騎手にとっても、ファンにとっても。
レコードは、今春の中日新聞杯で記録された「1分59秒6」にすぎず、レースバランスは前後半「60秒2-59秒4」だから、とても厳しい中身とはいえない。 また、昨年のこの愛知杯は前後半「64秒5-59秒1」=2分03秒6。超スローで逃げた51キロのエーシンメンフィス(7番人気)と、2番手につけた52キロのサンシャイン(10番人気)がそのまま1-2着だった。
1周約1706mのコースで、コーナー4回。最後の直線は約413m。スローになりがちは明らかだが、今季は高速の芝ではなく、勝ちタイムからして推定は難しい。
◆現在の中京にうまく合うのは…
昨年末、中京の500万特別を勝って以降、ここまでオープン挑戦2回を含めて8戦。うち7回までメンバー中最速上がりを記録し、残る1回の福島牝馬SもNO.2の切れ。追い込みの決まりやすい中京でフルにこの「切れ味」が生きるとみた。
ダイワメジャー産駒はスピードも切れもあるのに、あと一歩の底力を欠くようなところがあるが、ゴールデンナンバーの祖母ケープヴェルディ(父カーリアン)は、1998年の英1000ギニー勝ち馬(ゴドルフィン所有。デットーリ騎手)。続く英ダービーでもこの組み合わせとあってなんと1番人気になっている(9着)。
3代母の全弟は、イスパーン賞GI(仏)を勝った1993年の秋、いきなりダート10Fの米BCクラシックに挑戦すると12番人気で勝ってしまったアルカング(父サガス)である。アルカングは当時ダンディルート(ビゼンニシキなどの父)が成功していたため、同じリュティエ系として日本に輸入されたが、パンチはあってもスピードがなかった。ただし底力は伝えることに成功している。
楽について行けそうなペースで、そう高速ではない芝の切れ味勝負。ゴールデンナンバーにうまく合うのが現在の中京ではないかと期待したい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。