2013年12月30日(月) 18:00
◆東京2歳優駿牝馬展望 (12月31日 大井 サラ2歳牝馬 定量53キロ 地方競馬交流 南関東SI 1600m)
「東京2歳優駿牝馬」は昭和52年新設。すでに36年の歴史を重ねる。地方馬限定戦にもかかわらず“SI”をうたうところがこのレースの重みといえ、1着賞金も翌春牝クラシック「桜花賞」「プリンセス賞」と同じ2000万円。実際その優勝馬は、カシワズプリンセス、ラヴァリーフリッグ、ネフェルメモリー、さらにクラーベセクレタなど、牡馬相手にそれこそSI級の実力をみせてきた。もう一つ、古い話ながら語り継ぎたいのが第3回(昭和54年)を勝ったツキメリー(父シャトーゲイ)。同馬は結局一流牝馬と女傑、その中間くらいで競走生活を終了し、しかし早めの繁殖入り、日本ダービー馬メリーナイスの母となった。「東京2歳優駿牝馬」、レースの注目度、評価が一挙に高まったことは言うまでもない。
改めてファイルをめくると、他にも好例はいくつもあった。第5回優勝ラドンナリリー(父キタノカチドキ)がリンデンリリー(エリザベス女王杯)を出したこと、第21回ダイヤモンドコアがナイキハイグレード(羽田盃)を生んだこと。少し違う意味にはなるが、第15回カシワズプリンセスは一世代(ケイアイメモリー)を隔て、第32回ネフェルメモリーとともに、このレース“祖母→孫娘”制覇を果たしている。血を感じさせる重賞、あるいはタイムトンネル――。もちろんそれは、競馬の持つ最も奥深いロマンといっていいだろう。12月31日、まさしくオーラス。しかし大井競馬にはまだお愉しみが残っている。
(1)…波乱含み。1人気[5-2-0-3]は合格点だが・・・
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吉川彰彦
日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。