桜花賞へ向けて成長株となれるか/フェアリーS

2014年01月12日(日) 18:00


◆このレースに逸材はいるか

 今年の3歳牝馬のトップグループは強力。牡馬陣がモタモタしているため、ダービーに回る馬がいるのではないか? などという声が2歳の後半にあちこちで出たことがある。

 といって、いまトップの名を思いうかべると、最優秀2歳牝馬レッドリヴェール、阪神JFでハナだけ及ばなかったハープスター、きわどい写真に持ち込んだフォーエバーモアのほかに、クリスマス、ホウライアキコなどがいるくらいで、牝馬陣もトップのレベルは確かに高いが、層が厚いわけでもない。

 2009年から1月の中山に移り、距離が1600mになり、明らかに桜花賞路線の重要な位置を占めることになったフェアリーS。そろそろこのレースから逸材が出現して不思議ない。といっても、まだ高い評価を受ける馬のいない1勝馬同士。大きく変わる成長株はいるだろうか。

 ここまでは地味だが、評価以上に変わってくる可能性ありとみて、グリサージュに期待したい。

◆9着もマイル適性を示した朝日杯FS

 人気になったベルカントとともに朝日杯FSに挑戦したこの馬、スタートで挟まれるように下がり最後方からのレースになったが、直線は馬群を割るように伸びてきた。上がり35秒4は、勝ったアジアエクスプレスについでNo.2。先行馬崩れの展開を利して突っ込んできたわけではなく、侮り難いマイル適性を示した可能性がある。今季の中山で1分35秒4なら上々と思える。

 母リトルブレッシングは、強烈な切れを誇ったデュランダルの半妹。上のプリンセスメモリーほどは切れないだろうが、パンチと、いわゆる総合力はグリサージュのほうが上回るだろう。

 クロフネの代表産駒は、カレンチャン、スリープレスナイト、ホエールキャプチャ、ユキチャン、ブラボーデイジー、昨年のクロフネサプライズなど、重賞レース勝ち馬はほとんどが牝馬に偏っている。スピードと切れをクロフネから受け継いでいるのは牝馬。これは強調点。

 パワーを秘めるオメガハートロックと、グリサージュの近親デュランダルの産駒イントロダクションの2頭が相手本線。少し手を広げ、穴馬にはデルマサリーチャンをぜひ加えたい。

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

新着コラム

コラムを探す