2014年01月29日(水) 18:00
◆科学はサラブレッドの世界をどう変えていくのか
12日の京都芝外2200メートルを舞台にした3歳未勝利戦でのこと。結果は1番人気ディルガ→2番人気アグリッパーバイオというごく無難な決着に終わった一方で、ある画期的な試みが実践に移されていた。
エイシンソルティー(牝)は西園キュウ舎の当世代のトップバッターを務めた馬。デビューは6月の阪神(ダ1200メートル)で0秒2差3着。2戦目(中京芝1200メートル)にはクビ差の2着まで詰め寄り、初勝利は目前と思われたが…。その後も詰めの甘さはなかなか解消せず、前走前の時点での成績は[0-1-3-1]。とはいえ、あと一歩までは来ているのだから、普通なら無難にこれまでと同じ短距離戦を選択するところだろう。が、西園調教師は暮れの阪神芝内1200メートル(3着)後に、冒頭の舞台を選択。実に前走から1000メートルもの距離延長となった。
3歳未勝利戦がなくなる間際に「使えるなら何でも」ってノリでこの手の極端な条件変更をするケースもあるにはあるが、今回のエイシンソルティーは明らかに違うケース。実は“科学的な根拠”がこの1000メートル延長の根底にあった。
現在、世界各国で馬のゲノム解析の研究がされているが、これが形となって表れたのが昨年の英国クラシック戦線。その話題の中心となったのがジム・ボルジャー調教師が擁するドーンアプローチだ。圧倒的なスピードで英2000ギニーを制し、当然のように視野に入ってきたのは英ダービー。しかし研究者でもあるボルジャー師は、ドーンアプローチの遺伝子を解析。「スピード遺伝子を強く受け継いでおり、英ダービーは適距離とは言えない」という仮説を導き出す。自らの研究成果通りなら、愛馬は距離の壁に泣く、何ともシニカルな状況の中、英ダービーに臨んだドーンアプローチは激しく折り合いを欠き、大惨敗を喫した。
日本でも同様の検査が行われるようになり・・・
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