2014年01月31日(金) 18:00 22
◆エプソムアーロンの補欠3番目に違和感
今週前半に発表された佐賀記念(JpnIII、2月13日)の出走予定馬と補欠馬を見て、ちょっと、いやかなり、違和感があった。それは地方他地区馬枠で、出走可能枠3頭に対して、昨年末の兵庫ゴールドトロフィー(JpnIII)で大健闘の2着と好走した高知のエプソムアーロンが補欠3番目だったことだ。
すでに回避/繰り上がりがかなりあって、当のエプソムアーロンも回避してしまったのだが、当初の地方他地区登録馬は以下のとおり。
オオエライジン(兵庫)
ダイナミックグロウ(兵庫)
ホクセツサンデー(兵庫)
※以下補欠、繰り上がり順
エーシンクリアー(兵庫)
エイシンナナツボシ(兵庫)
エプソムアーロン(高知)
タッチデュール(笠松)
トウホクビジン(笠松)
(以下、省略)
ダートグレードでの入着もあり、正月には南関東の重賞(報知オールスターC)を勝ったオオエライジンは当然として、ダイナミックグロウ、ホクセツサンデーと、補欠1番のエーシンクリアーの3頭は、いずれも昨年は地元兵庫で重賞1勝のみ。補欠2番のエイシンナナツボシは重賞2着まででデビュー以来重賞タイトルはない。
そしてエプソムアーロンはといえば、昨年だけで、高知・園田で重賞3勝に加え、冒頭にも触れたとおり中央馬相手のJpnIIIで2着という実績。年明けには地元高知の重賞(大高坂賞)も勝っている。
その馬が補欠の3番とはどういうことなのか。納得がいかず、主催者の番組担当に尋ねてみたところ、地全協から伝えられるレーティングに距離実績を加味しての順番とのこと。ちなみに地方競馬のレースで公表されているレーティングは交流重賞のみだが、実際には地方重賞にもレーティングはつけられているらしい。
で、エプソムアーロンのレーティングは90だったとのこと。ただし兵庫ゴールドトロフィーで得られたレーティングは85で、90は別の重賞でついた数字だそうだ。兵庫ゴールドトロフィーの85は低すぎるようにも思えるが、勝ったドリームバレンチノが59kgを背負って111で、エプソムアーロンは2着とはいえ51kgで4馬身差があったからなるほどこれは仕方ない。90という数字が、ほかの兵庫の重賞実績馬には及ばなかったということか。
たしかにそうやって数字で示されると納得せざるをえない面もあるが、それにしてもこの1年で他地区への遠征も含めて重賞4勝に加えJpnIIIで2着という実績は、オオエライジン以上といってもいい。
こうした、ごく限られた頭数の出走馬を選定するときに、どんなに合理的と思える基準をつくっても、それで誰もが納得する結果が常に得られるものでもないということは確か。ただ今回の佐賀記念では、登録馬と補欠順を見て「えっ!」と思ったのはぼくだけではない。話をした中で何人もが同じように思っていたので、果たしてこれでいいものかと。少なくともベストと言える選定ではないだろう。
斎藤修
1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。