2014年02月04日(火) 18:00
◆大記録達成の武豊騎手を直撃
みなさん、先週号の週刊競馬ブックの表紙を見られましたか?「武豊騎手」やっぱりこの人でしょう。
JRA史上初の通算3600勝達成!! 1月26日中京第10レース「西尾特別(500万下)」、メイショウインロウ号(牡5歳)で優勝。豊さんのところには、馬のブロンズ像はいったい何個あるんでしょうね? 今年だけでも「GIレース100勝」、ほかにも「日本プロスポーツ大賞」「JRA特別賞」「関西騎手クラブ賞」を受賞されました。
そんな大注目の豊さんを直撃しました。
常石 :改めて、豊さん、おめでとうございます!
武豊 :ありがとうございます。いい騎乗をして「上手いね」と言われても、それは確たるものではないので、なかなか皆さんに伝わらないでしょう。だからきっちり結果を出して、数字に残していかないと認められないんですよね。まだまだヘタクソだから腕を磨かないとね。昨年はいい馬に恵まれて、いいリズムを経験しました。
常石 :僕には想像もつかない数字ですが、今年の目標は?
武豊 :欲張ること! プロの騎手であるからには狙っていきたいですよ。最多勝利・最高勝率・最多賞金獲得の3部門受賞の騎手大賞です。
常石 :年間200勝以上されたこともありましたね。
武豊 :3年連続でありましたね。だから自分の立つ位置をそこまで引き上げていきたいですね。若い騎手たちに「ウザいな」と思われるくらい、欲張っていきます(笑)。
常石 :いつも自分の位置に満足されていないんですね。
武豊 :これでいいんだって言うことはないでしょう。凱旋門賞もダービーも勝ちたいと思っていますよ。
常石 :今年も期待馬がいますね。
武豊 :乗せていただく馬全部が期待馬です。応援してくださるファンの皆さんも笑顔になれるように頑張ります。
常石 :ありがとうございました。お話させていただけてよかったです。楽しみにしています。
お礼をしないといけないのは僕の方なのに、豊さんカレンダーとボールペンをいただきました。ヤッター(にっこり)。
◆同期・古川騎手の本音に迫る
さて、今週のコラムのゲストは、関西で現役を続ける同期、古川吉洋騎手です。
常石 :最近このコーナーでは「花の12期生」の追っかけしています(笑)。今日はよろしくお願いします。
古川 :つねちゃん 俺らもう花ないなぁ。おっさんやろ(笑)。牧原さんも純ちゃんも現役引退したしな。違う分野で凄い頑張ってるけど。それがまたいい刺激になってるな。
常石 :だから頑張れるんですよね。
古川 :そうだよな。俺ら同期は、みんな凄いよな。
常石 :古川って、運動神経が抜群だったよな。スポーツ万能でついていけなかったもんなぁ。柴田ツインズは頭が良くて、ユーイチは早くから有名人やったし、和田は熱心やったけどおもしろかったな。亮も真面目にやったな。牧原さんはルックスも何でも優等生だったけど、純ちゃんと僕は乗馬ができなくて大変やったわ(苦笑)。
古川 :野球やってたからな。兄貴も野球をやってたんだ。だからまさか騎手になるとは思ってなかったけど、体が小さかったから騎手を勧められて、受験してみたら合格。あの時は凄い倍率だったから、当然騎手になる道を選んだな。
常石 :デビュー翌年には阪神3歳牝馬S(アインブライド)で早くもGI初勝利を挙げて、同期では1番乗りの快挙。しかもその年は32勝して、大活躍だったね。
古川 :感激して、思わずホロリときたわ。大知が(NHKマイルCを)勝った時にインタビューで涙が止まらなくなってる様子を見て、ちょっと思いだしたなぁ。
常石 :あの勝利は最高だったね。僕も感激したよ。グッと我慢する時も必要なんだね
古川 :オレなんかずっと我慢してるで(笑)。でも、腐っては無いけどね。
常石 :順調に勝ち鞍も積んできてるし、楽しみです。今思うことはありますか?
古川 :いろんな馬に乗せていただいてるけど、同じ馬はいないわけだから、一頭一頭の癖を早くつかんで、いいところを出せるようにしている。馬に話しかけたりもしてる。何か通じるとこはあるからね。力を100%出すにはどうすればいいか、厩舎スタッフともよく話して馬の様子も聞く。正解はないから、馬は難しいな。でも、未知だから面白いんだけどね。
常石 :いいな、現役の馬に触れることができるのは。
古川 :そうやな。いつまで乗れるか分からないけど、ずっと馬の背中に乗っていたいな。だから、自分のやれることを精一杯やりたいと思う。厩舎からの依頼も、少しずつやけど増えてきたしね。今やらないと…いつやるの!? でしょう(笑)。
常石 :制度が変わって、騎手を辞めようと思ったことはなかったですか?
古川 :まだまだやりたいこがいっぱいあるから、思わなかった。馬のことをもっと知りたいもんね。奥が深いから、やればやるほど分からなくなることもあるんだけど。
常石 :そんな時はどうするんですか?
古川 :まずは馬と向き合って、馬に触れて話しかけて…それを何度も繰り返す。それでも答えが出ないときは、厩舎スタッフと話す。そこから調教して、答えを出していく。
常石 :そこで運動神経のよさが出るんですね。
古川 :いやぁ、それは違うと思うけど(笑)。騎乗依頼をしてくれるので、それを大事にしていきたいです。またつねちゃんにインタビューしてもらえるように頑張るわ。それと「競馬は面白い」とファンに言ってもらえるように頑張ります。
常石 :もっと競馬の面白さをファンの皆さんに伝えていきたいですね。
同期が活躍してくれるのはやっぱり嬉しいです。僕もみんなにしっかり取材できるように、馬に触れて話していきたいと思いました。つねかつこと常石勝義でした。[取材:常石勝義/栗東]
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常石勝義
常石勝義 1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。