2着から10着馬まで着差はすべて「クビ」/根岸S

2014年02月03日(月) 18:00


◆ゴールスキーはフェブラリーSでもチャンスあり

■2014年 根岸ステークス

2014年 根岸ステークス

映像

 ダートの短距離らしい大激戦が展開された。外から差して勝ったゴールスキーから、10着アドマイヤサガスまでわずか「0秒5差」。2分の1馬身差で差し切ったゴールスキーのあとは、2着ノーザンリバーから10着アドマイヤサガスまで、「クビ、クビ、クビ…」の着差が連続8回(頭)も並ぶ大接戦だった。  レースの中身は「前半35秒3-(12秒0)-36秒1」=1分23秒4。先行馬つぶれというほど厳しいペースではなかったが、激しい一団の追い比べになった結果は、追っての味で上回る馬、競り合いを外から差す形になった馬が有利なのだろう。4コーナーで先行集団にいた馬のうち、掲示版を確保できたのは4着ブライトラインたった1頭だった。

 勝ったゴールスキー以下、1600mにも不安なしと思える多くの馬が2月23日の「フェブラリーS」を展望することになる。ただ、最近10回の「フェブラリーS連対馬20頭」のうち、その前2走中に「ジャパンCダート(1800-2100m)、東京大賞典(2000m)、あるいは(川崎記念2100m)」。この3つの1800m以上のビッグレースに出走の記録がなかった馬は、2005年の勝ち馬メイショウボーラー(父タイキシャトル)と、2012年の2着馬シルクフォーチュン(父ゴールドアリュール)。たった2頭しかいない。

 よほど高いマイル適性を秘めていない限り、1800-2000mのGIでも善戦、好走するくらいの総合能力がないとフェブラリーSは苦しいことを示しているが、今年の根岸S組はどうなのだろう。フェブラリーSの展望を重ねながら、振り返りたい。

 ゴールスキー(父ネオユニヴァース)は、東京大賞典、フェブラリーSなどダート【7-0-0-2】の星を残したゴールドアリュールの4分の3弟。比較的早くダート戦に転じた兄と異なり、ダートに転じたのは6歳になってから。これでダート6戦【3-1-0-2】となった。

「この状態で勝ったことに意義がある――池江調教師」というくらいで、休み明けの今回は完調ではなかったと思えるが、追い出しての大跳びのストライドは完全に1枚上だった。ダートサイアーランキングで上位(昨年は6位)に順位を上げている父ネオユニヴァース(サンデーサイレンス)のダート適性も文句なし。休み前の武蔵野S1600mの内容が案外だったのと、芝当時もあわせ1600m以下に良績が集中するのが心配だが、ベルシャザール、ホッコータルマエ、ニホンピロアワーズなど、さらに相手強化のフェブラリーSでも、チャンスはあるだろう。

 オーシャンブルー(同じ池江厩舎)につづいて早くも今年重賞2勝。大活躍をつづけるF.ベリー騎手の今回の短期免許は、一応、フェブラリーSの2月23日まである。すっかり日本のダート戦も手の内に入れたベリー騎手の・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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