評価を一段と高める差し切り/きさらぎ賞

2014年02月11日(火) 18:00


◆時代とともに変わるダービーへの道のり

■2014年 きさらぎ賞

2014年 きさらぎ賞

映像

 クラシックの位置は不変。ただし、時代によってクラシックに進むローテーションは微妙に変化する。2歳戦のスタートが早まった。サンデーサイレンスの大きな影響を受ける現在は、それに合わせた候補の育て方が問われる。育成、調教、出走レースの選び方など、それぞれに流儀はあるものの、明らかに出走レースの選び方が多様化している。

 頂点の「日本ダービー」の好走馬が、そこに至るまでにどんなレースを選んで出走していたか。「皐月賞」はもうクラシックの出発だから別扱いとして、「札幌2歳Sからスタートし、東スポ杯、京都2歳S,朝日杯FS,ラジオNIKKEI杯2歳S、共同通信杯、弥生賞、スプリングS」などポイントになる重要なレースはいっぱいあるが、近年のダービーで好走した馬は、1996年のダンスインザダーク、98年のスペシャルウィークあたりから変化の度合いが大きく、99年ナリタトップロード、03年ネオユニヴァース……。06年メイショウサムソン、07年アサクサキングス……。11年オルフェーヴル、ウインバリアシオン。それ以前は、厳寒期の重賞レースとして、シンザン記念とともに人気のなかった「きさらぎ賞出走馬」がどんどん増えているのである。

 関西馬の攻勢はもちろん関係するが、以前に比べると、もっとも重要度の高まりが大きく、ダービー好走馬に限ると、もっとも多くの馬がその成長過程で出走しているのが、(レースが多頭数になることはないのに)、きさらぎ賞出走馬。そんな記録がある。

 その観点からすると、稍重馬場ながら、1分47秒6(レースレコードは12年ワールドエースの1分47秒0)の好時計で快走したトーセンスターダム(父ディープインパクト)の評価はこれで一段と高まったことになる。

 ファミリーは、カンパニーなどが代表するクラフティワイフから大きく広がる一族。母アドマイヤキラメキの半弟には、天皇賞(秋)などのトーセンジョーダン(父ジャングルポケット)、早くもディープの後継馬として種牡馬入りしたトーセンホマレボシ(父ディープインパクト)などが名を連ね、セレクトセールで2億5000万円(税抜き)の高馬。

 最初からダービー候補として育ってきたが・・・

続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

新着コラム

コラムを探す