予定通りの始動戦となるか/クイーンC

2014年02月14日(金) 18:00

※クイーンCは2月15日(土)から18日(火)に順延となりました。このコラムは順延が決定する前に執筆されたものとなっております。


◆フォーエバーモアの阪神JF3着の中身は上々

 天気予報通り、東京地方にはまた今週も「雪」が降り始めてしまった。大変申し訳ないが、種々の事情もあって、いま、雪が激しく降っている金曜日の午前中。今晩から明日にかけての天候も、土曜の午後の馬場状態もちょっと予測がつかない。

 予報どおり、雪がミゾレに変化し、やがて雨に変わって中止には至らず、「重馬場」の芝コンディションで行われるものとして考えた。

 人気の注目馬フォーエバーモア(父ネオユニヴァース)は、同じ1600mの阪神JFを1分33秒9。レッドリヴェール、ハープスターと「ハナ、クビ」の同タイム3着だった。人気のハープスターは馬群に突っ込んで脚を余した印象が濃いが、フォーエバーモアとて恵まれたわけではない。先行タイプが早めにつぶれてしまったため、結果として先頭に立つのが早かったかもしれない。レースバランスは「46秒3-47秒6」=1分33秒9。時期が異なるとはいえ、ほとんど近年の「桜花賞」と同じ中身である。

 1000m通過は58秒4(フォーエバーモアは、59秒3)。翌週の古馬オープンのリゲルSが、同じAコースの良馬場で「46秒8-46秒8」=1分33秒6。1000m通過は58秒6だったから、キャリアの浅い2歳牝馬の阪神1600mの記録とすると、レースレベルも、フォーエバーモアの中身も上々である。

 阪神JFの公式レーティングは、1着レッドリヴェール、2着ハープスター、3着フォーエバーモアの順に「110、109、108…」だった。参考のため。2012年の勝ち馬ローブティサージュが108、11年のジョワドヴィーヴルが110、10年のレーヴディソールが109。09年のアパパネが108、08年のブエナビスタが110であるから、2013年は勝ち馬の評価、および2,3着馬の評価も上々である。

 ここまで、フォーエバーモアのレース間隔は、きれいに2ヶ月ずつ。ここを使って本番の桜花賞はぴったり2ヵ月後になる。予定通りにきていることを示している。ファミリーはアメリカのダート一族にも近く、それにネオユニヴァース。重馬場の巧拙は不明でも、少なくとも非力なタイプではない。使われるごとに馬体重は増えている。予定通りの始動戦になって欲しい。

◆順当な結果はまずない

 相手筆頭は、前回、男馬相手の1800mで馬群につつまれて2回ぐらいスムーズさを欠きながら小差3着のデルフィーノ(父ハーツクライ)。この馬、東京2000mの新馬戦では、スローだったとはいえ「10秒7-11秒0」の高速ラップが刻まれた最後の2ハロンで楽々と抜け出している。同馬の推定2ハロンは21秒5である。

 といって、切れ味だけが身上のタイプではなく、母の半弟は現6歳の重賞勝ち馬ダノンバラード(父ディープインパクト)。グロリアスソング、種牡馬シングスピール、デヴィルズバッグ、グランドオペラなどが代表する名牝系バラード(父エルバジェ)の一族であり、こちらの背景も非力な系統ではない。

 穴馬は、フェアリーS(2番人気)ではほとんど競馬をしていないグリサージュ(父クロフネ)。男馬相手にかなりロスがあった朝日杯FSを0秒7差しているこの伏兵タイプ、相変わらず調教では動いている。まだ軽視しないほうがいい。  以下、素晴らしい気配のカノーロ、阪神JF6着のマジックタイム、パンチのありそうなツクバアスナロ、重巧者の可能性があるニシノアカツキを相手に加えたい。この天気だから、順当などという結果はまず、ないだろう。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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