2014年02月16日(日) 18:00
◆東京1600から1800mにもっとも高い適性を示しているクラレント
先週に続いて東京競馬の「中止」→「代替開催」が複雑に絡み合い、ファンの方がたはもちろん、競馬関係者も、きょうが何日目の開催で、なにがメインレースの日で、いったいきょうは何曜日なのか分からないくらい混乱している。
17日(月)に行われる「東京新聞杯」当日は、先週の9日(日)から1週間も日程がズレたから、最初のメンバーとはだいぶ変わっている。関西馬は競馬に出走しないカラ輸送もあった。
18日(日)に行われる「クイーンC」の日は、15日(土)のメンバーがそのままの組み合わせで同じ枠順で行われるから、15日付けの新聞がそのまま使用できる。
16日(日)が中止になり、来週の24日(月)に移動して行われる「共同通信杯」の日は、特別登録からやり直して新しいメンバーで行われる。
今週のような水気たっぷりの大雪を雪かきしたあとの芝コースは判断が難しい。発表以上にタフなコンディションになっている危険がある。ただ、カラ輸送になった関西馬の評価は難しいものの、近年の馬運車は思われているよりずっと快適。ほとんど高速道路だけの輸送になった今回の関西馬は、まず再輸送の疲れはないと考えていい。プラスはありえないが、ほとんどマイナスはないという意味である。疲れの危険を考えた馬は、ちゃんと回避している。
最初の予定通り、5歳クラレント(父ダンスインザダーク)から入る。東京への輸送競馬は今回が9回目。慣れているうえ、東京1600から1800mにもっとも高い適性を示しているから評価を下げる必要はないだろう。
総合スピード能力がもとめられる東京1600mでは、12年のNHKマイルCを、0秒6差の3着。秋には富士Sを1分32秒4で抜け出して快勝。つづくキャピタルSは4着だが、1分32秒3で差は0秒2だけ。そして、昨13年の東京新聞杯は、好位から抜け出して1分32秒9の1着。凡走は1度もない。
東京向きの底力あるスピード能力を裏付けるように、距離1800mでは、2歳時の東スポ杯こそ凡走したが、昨年のエプソムCでジャスタウェイ(秋の天皇賞馬)を封じて快勝し、秋の毎日王冠ではエイシンフラッシュから0秒1差の3着だった。
おそらくここは、どの馬が行くにせよ落ち着いた平均ペースの公算大。自在型のクラレントは、楽に好位追走だろう。パワフルなストライドになっているので、少しタイムを要するくらいの芝はもっとも合っているとおもえる。
◆マイル路線にマトを絞ることになった2頭が相手本線
相手本線は、京都金杯を鮮やかに勝ったエキストラエンド(父ディープインパクト)と、いよいよマイル路線にマトを絞ることになったコディーノ(父キングカメハメハ)。
エキストラエンドはマイラーではなく1800−2000向きと思えるが、東京コースなら総合力が生かせる。以前は輸送を気にしたが、14日(金)にきちっと追えたくらいだから、再輸送の心配は少ない。
コディーノは、クラシック路線になってもう一歩だったあたり、さまざまな敗因はあるだろうが主因は距離だったろう。あのフットワークがシャープに回転するのは、血筋通り1600m前後と思える。
この2頭が相手の本線で、サトノギャラント、ホエールキャプチャ、レッドスパーダ、ヴィルシーナは、クラレントからだから低配当はないが、押えにとどめたい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。