2014年03月03日(月) 12:00 66
◆これまでのうっ憤晴らす快勝劇
赤見 愛馬のジャスタウェイが去年の天皇賞・秋を優勝。大和屋さんも、一躍GIオーナーになられました。それにしても、あのレースはびっくりする強さでしたね。
大和屋 そうですね。それまではいったい何だったんだっていう(笑)
赤見 あの弾け方は、それまでの重賞連続2着、2着、2着を帳消しにしましたよね。当日を迎えて、どんな心境でしたか? 結構ドキドキ?
大和屋 自分の馬が走る時はいつも緊張するので、お酒を飲んでしまうんです。だから、あの時もレース前からちょっと酔っぱらっていました。
赤見 そうだったんですか。パドックでは、福永騎手とどんな会話を?
大和屋 あの時「俺偉いな」と思ったのは、福永さんに「僕らをドバイに連れて行ってください!」って言ったんです。「って、須貝さんに言えと言われたので言いました」って、そういう言い方なんですけどね(笑)。福永さんも「いいですね、ドバイ」って。そうしたら、このザマですよ。恐ろしい。
赤見 現実になってきている…。私、あの時ゲート横でレポートをさせてもらったんですけど、ジャスタウェイがすごくカッコ良く見えたんです。レースを見ていてどうでしたか?
大和屋 びっくりしました。だって、むっちゃくちゃ手応えが良かったじゃないですか。
赤見 直線であっという間に先頭立って、ぐいぐい突き放しましたもんね。声は出ましたか?
大和屋 出ました。それこそ「ジャスーーーッ!」って、レース中ずっと叫びっ放しで。そして、1着でゴールして、頭がおかしくなりましたね。口取りの写真を撮っている時も挙動不審だったという。「大和屋さん、跳ねてましたよね?」って言われて、「本当ですか?」って。
赤見 跳ねてた(笑)。表彰式では、あの立派な盾を持たれて、すごく凛々しい表情に見えました。
大和屋 本当ですか!?「ちゃんと髪を切っておけば良かった」とか「しまった! ネクタイもちゃんと結んでおけば良かった」って、後悔しっ放しでした。パッとスタンドの方を見たんです。そうしたら、親戚が来ていたんですよね。しかも、結構人数が多い。
赤見 応援に来られていたんですか。
大和屋 そうそう。俺よりデカイ親戚がいるんですよ。198cm。そいつが「うわあぁぁぁ!」って飛び跳ねているから、目立つ目立つ(笑)。
赤見 皆さん競馬がお好きなんですね。
大和屋 いや、そうでもないかもしれない。やっぱりジャスタウェイがいて、皆が応援してくれるようになりましたね。
▲関係者皆が喜び合った天皇賞・秋(撮影:下野雄規)
◆神経をすり減らした1か月
赤見 それにしても、一頭目の所有馬がGIを勝って、しかもそれが天皇賞だなんて。・・・
東奈緒美・赤見千尋
東奈緒美 1983年1月2日生まれ、三重県出身。タレントとして関西圏を中心にテレビやCMで活躍中。グリーンチャンネル「トレセンリポート」のレギュラーリポーターを務めたことで、競馬に興味を抱き、また多くの競馬関係者との交流を深めている。
赤見千尋 1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミック」で連載した「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍。