圧倒的な能力を証明した快勝/中山記念

2014年03月03日(月) 18:00


◆横山典弘騎手も絶賛のジャスタウェイ

■2014年 中山記念

2014年 中山記念

映像

 距離1800mにはJRAのGI競走がない。それも関係して、中山の内回りを1周する1800mの中山記念の勝ち馬には、2連勝したバランスオブゲーム(2着も1回)、2回勝ったローエングリン(3着もある)などに代表されるこの距離のスペシャリストタイプが珍しくない。古典の世界では3年連続連対したエイティトウショウ、同じく2勝、2着1回のカネミカサが中山記念の代名詞の時代もあった。近年では、4歳時に2着したカンパニー(父ミラクルアドマイヤ)が、やがて本格化した7歳時と8歳時に連勝している。

 しかし、2011年のヴィクトワールピサ、1998年のサイレンススズカ、1996年のサクラローレルのように、圧倒的なパワーとスピード能力を爆発させ相手をねじ伏せた勝ち馬もいる。

 7-8歳時のカンパニーはこれに近かった。今年の勝ち馬ジャスタウェイ(父ハーツクライ)はもちろん後者であり、すでに天皇賞(秋)をジェンティルドンナ、エイシンフラッシュ以下に4馬身もの差をつけ、2000mを1分57秒5で独走しているから、コースを克服し、距離に対応して(1800mは初勝利)の実力勝ちだった。

 1996年のサクラローレル(距離、コース不向きとされて9番人気)、2008年、09年と連勝したカンパニー、そして今年ピンチヒッターとしてジャスタウェイの3馬身半差圧勝に貢献したのは、横山典弘騎手。今年のジャスタウェイも中山1800mのスペシャリストとはまったく違うが、横山典弘騎手はこれで中山記念【4-3-1-11】となった。

 陣営が、騎乗停止中の福永騎手の代わりに、横山典騎手に騎乗依頼したのは大正解。ジャスタウェイには距離、コース不安は少なからずあったが、鞍上の横山典弘騎手が「中山記念のスペシャリスト」だったのである。猛然と追い込む形が多かったジャスタウェイで、スタートから気合を入れて1コーナーまでの短い距離で素早く好位の3-4番手確保のレース運びは、いつもは追い込みタイプのカンパニーの2連勝とまったく同じ。中山1800mの必勝形である。

 それにしてもしばらく伸び悩んでいたジャスタウェイの昨秋からの成長カーブはすごい。今回はまだ完調手前だったと思われるが・・・

続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

新着コラム

コラムを探す