絞れて一変、中山向きのパワー/弥生賞

2014年03月08日(土) 18:00


◆この弥生賞で3歳牡馬の勢力図が見えてくる

 過去10年の皐月賞で1-3着した計30頭が直前に出走したレースは、「弥生賞12頭。スプリングS8頭。若葉S6頭」。この3競走に集中し、30頭中の26頭までを占めている。

 多くの場合、今週の弥生賞が最重要な直前ステップになることが多いが、今年の弥生賞には、ここに至るまでの路線のポイントレース「ラジオNIKKEI杯」の1-2着馬ワンアンドオンリーアズマシャトルを筆頭に、「若駒S」の1着馬トゥザワールド、「きさらぎ賞」の小差3着馬エイシンエルヴィン、そして「京成杯」の2-3着馬キングズオブザサンアデイインザライフ。主要レースのレベルを推し量るにふさわしい馬、さらにはカギを握る馬が、そろって出走してきた。

 2週後の「スプリングS」「若葉S」が最終ステップになる馬も、イスラボニータのように皐月賞直行になる馬もいるが、プレイアンドリアルは皐月賞には間に合わないから、皐月賞候補と思われる有力どころの7割方が、この弥生賞にそろって出走してきたと考えていい。土曜日のチューリップ賞と同じく、本番と同距離の、同じコース。

 この弥生賞は、今年の全体レベルを明らかにしつつ、直前のランキングや勢力図を作成するのに、かなり組み立てやすい基盤の骨組みとなってくれそうである。ここまでのところ、ラジオNIKKEI杯、きさらぎ賞のレースレベル(レースレーティング)が、他のレースをちょっとだけリードしているとされるが、本当にそうなのだろうか。その答えも見えてくるかもしれない。

 関西馬強しの流れに呼応して、ここまでの路線の中で、きさらぎ賞が重要なレースになる年が多いが、人気のトーセンスターダム(トーセンジョーダン、カンパニーの一族)が勝った今年のきさらぎ賞も、時計の1分47秒6(稍重)以上にレースレベルは高いと思えた。そこではトーセンスターダム、バンドワゴンに遅れをとったが、大きく変わる可能性大とみて、エイシンエルヴィンに注目したい。・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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