牝馬限定のハンデ戦中山牝馬S。今年は前2走の惨敗からの巻き返しが期待されるエバーブロッサムや、芝替わりで一気に素質が開花したフーラブライド、骨折による休養から復帰したエクセラントカーヴなどがエントリー。出走を予定している主な有力馬は以下の通り。

　エバーブロッサム(牝4、美浦・堀宣行厩舎)はオークスで2着に入線した後、ローズS、秋華賞と2ケタ着順の惨敗を喫した。この2戦は共に輸送が影響したと考えられるし、立て直されて関東圏での競馬なら話は違うはず。ここは真価が問われる一戦。

　フーラブライド(牝5、栗東・木原一良厩舎)はデビュー4戦目以降ずっとダートを使われていたが、4走前に芝を使われていきなり完勝すると、そこから3連勝で愛知杯を制覇。一気に重賞ウィナーとなった。前走の日経新春杯でも3着に入線し力のあるところを見せ、ここも当然上位争いの期待が掛かる。

　エクセラントカーヴ(牝5、美浦・堀宣行厩舎)は条件戦を3連勝して臨んだ京成杯AHを1分31秒8の好タイムで勝って、4連勝で重賞初制覇。今回は骨折による休養明けだが、比較的早期に復帰できたし、距離延長についても母インディアナカーヴに1800mでの勝ち鞍があり、父ダイワメジャーも2000mの天皇賞を制しているだけに克服可能だろう。

　その他、脚質的に当てにできないところがあるが常に上位を争い力を持っているアロマティコ(牝5、栗東・佐々木晶三厩舎)、愛知杯で2着に入線したキャトルフィーユ(牝5、栗東・角居勝彦厩舎)、条件戦とは言え前走で復活を遂げたトーセンベニザクラ(牝5、美浦・加藤征弘厩舎)、ハンデ戦なら末脚が怖いコウエイオトメ(牝6、栗東・松本茂樹厩舎)なども出走を予定している。発走は15時45分。

【データ分析/過去10年】(中山で行われた過去9年)

人気…1人気は連対率22%、複勝率33%ともの足りない数字。牝馬のハンデ戦らしく人気薄の好走が多く、8人気は連対率33%、複勝率44%と高く、6、9人気も複勝率44%と高いのにも注目。

脚質…逃げ・先行馬よりも4角を7〜10番で回り直線で脚を伸ばす差し馬が優勢。

前走距離…距離別では前走1600mの馬が5-5-3-46と好成績。その中でも京都牝馬S組が4-3-2-28と優秀。

◆エクセラントカーヴ

・一週前調教診断/井内利彰

　4連勝で京成杯AHを勝って重賞初制覇。牝馬限定重賞なら、主役であることは間違いないが、問題は休み明け。自己条件時代には、休み明けで勝っているが、当時は夏場。そもそも夏場には良績を残しているタイプだけに、この時期の長期休み明けがどう影響するかだろう。

　追い切り本数は多くないが、1週前追い切りでは、同レースに出走を予定しているエバーブロッサムとの併せ馬。追走していたが、楽に並びかけて、手応えはこちらが断然上。相手も休み明けだが、この動きを見る限りでは、本馬の仕上がりが上といった感じ。1週前追い切りで、ほぼ仕上がりが確認できていれば、最終追い切りは単走になるはず。そうなれば、万全の状態で出走すると判断したい。

・血統診断/望田潤
　アドマイヤベガやハープスターなどでおなじみのアンティックヴァリューにさかのぼる牝系で、このオールドスタッフの分枝にはサトノノブレスやコレクターアイテムなどが出ている。母がA.P.IndyとRivermanを通じるナスキロラトロのクロスで、ダイワメジャー産駒にしては細身で脚長でストライドで走るのはこの影響だろう。距離は1800mも・・・