2014年03月20日(木) 18:00
◆意外にもGIへ繋がるフラワーC
桜花賞に出走するには最終ステップになる1800m重賞。多くの場合、もう桜花賞とは展望するビッグレースが異なるようにも思える路線だが、最近10年、
【フラワーC→桜花賞】 ▽2004年 東ダンスインザムード 1着→1着 ▽2005年 西シーザリオ 1着→2着 ▽2006年 東キストゥヘヴン 1着→1着 ▽2010年 西オウケンサクラ 1着→2着 ▽2011年 西トレンドハンター(阪神) 1着→3着
計5頭もが桜花賞で快走している。オウケンサクラは「チューリップ賞→フラワーC」という特異なローテーションだが、これをチューリップ賞組にも入れたときの「14頭」に次ぐ、重要なステップレースなのである。
とくに人気の1頭ショウナンパンドラは、体が減りつつあること、予想外の木曜の雨でまた一段とタフなコンディションになりそうなことなど、死角が大きいように思えるが、母キューティーゴールドは、24歳までに驚異の「19頭」もの産駒を送ったゴールデンサッシュ(父ディクタス)の12番仔であり、ステイゴールド、グレースランド(ドリームパスポートの母)、レクレドールなどの下になる。小柄な馬体が…などは、実際には一族の長所なのだから評価は落とせない。
また、カーリン(ドバイWC・BCクラシックなど11勝)産駒のディルガも時計がかかるのはおそらく大歓迎だろう。もっともタフな牝馬とも思える。
父はオペラハウス(その父サドラーズウェルズ)。母方は、祖母クランチーカが種牡馬カーリアン産駒。3代母カルニオラは、凱旋門賞のレインボウクエスト産駒。4代母カーニヴァルスピリットは、凱旋門賞馬ソーマレズの1歳上の半姉。
近年、タフな芝コンディション向きといえばドイツ血脈か、ノーザンダンサーの適度なクロスが切り札になることが多いが、ニシノアカツキはサドラーズウェルズの父としてのノーザンダンサーと、ニジンスキーの父としてのノーザンダンサーの「3×5」。適度に時計がかかる芝向きタイプの見本のような血統構成で、おまけに日本の芝向きヘイルトゥリーズンのクロスも備えている。欧州血脈の濃いタイプらしく、3歳の春に急上昇して早くも最初の完成期に入ることを告げるように、目下マイルの重賞2着、3着と上昇中。そして今週の芝コンディション。好走条件はそろっている。
フラワーCにしては珍しいほど粒ぞろいのメンバーがそろった今年は、「04年ヤマニンアラバスタ(フラワーC2着)、05年シーザリオ(同1着)、06年フサイチパンドラ(同2着)、10年サンテミリオン(同3着)、13年エバーブロッサム(同2着)」のように、このフラワーCでの好走を踏み台にして、やがて初夏の「オークス」の好走につながるだろう成長株が、何頭も含まれているように思える。
ニシノアカツキから、すでに1800m-2000mで結果を出している馬はもらさないように流したい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。