「ばんえい記念」に熱い声援をお願いします!

2014年03月22日(土) 12:00


◆ばんえい最高峰のレースを分析!

 さぁ、今年も「ばんえい記念」の季節がやってきました(23日午後5時15分発走)。重さ1トンのソリを曳く、ばんえい競馬最高峰のレース。この時期になると気持ちが高ぶってくるんですよね。世界中探しても、他ではゼッタイ見られない大一番ですから。

 07-09年に同レース3連覇を果たしたトモエパワー、10、12年の勝ち馬ニシキダイジン、11、13年に優勝したカネサブラックがすべて引退したため、今年はどの馬が勝っても初優勝となります。

 その中で、優勝候補の筆頭はキタノタイショウ。去年、同レースに初挑戦して3着と健闘しました。最大のライバルになると思われた去年の2着馬ギンガリュウセイが体調不良で出走を断念したので、ここは不動の中心です。本来は大河原騎手のお手馬ですが、同騎手がアキレス腱を痛めて乗れなくなったため、鈴木恵介騎手の手綱で本番に臨みます。

 たぶん、勝つのはこの馬でしょう。なにしろ今年のメンバーの中で、「ばんえい記念」で馬券の対象になったことがあるのはこの馬だけですからね。この実績は断トツです。

 それじゃぁ、2、3着は?となると、これは何頭かが入り乱れての大混戦。最近では覚えがないくらい、悩んでいます。

 実績で言えば、おととし、去年と連続4着のホッカイヒカルが浮上してきます。ただし、その4着というのが、3着馬からは20秒以上離されてのもの。要するに勝負にならなかったわけです。今季の重賞勝ちもなく、ちょっと頼りないんですよ。

 勢いで言えば、1月の帯広記念に勝ったホリセンショウか、去年9月に岩見沢記念を制したニュータカラコマあたり。でも、ホリセンショウが帯広記念に勝ったときにはソリの重さが890kgで、キタノタイショウより20kg、ニュータカラコマより10kg軽かったんです。それが今回は全馬同量の1トン。しかも900kgを超えるソリを曳くのが初めてとあっては、強くは推せません。

 一方のニュータカラコマは6歳馬。過去にこの年齢で「ばんえい記念」に勝った馬はいません。2着に来たのも03年のヒカルセンプーが最後。02年には後に「ばんえい記念」4連覇を達成するスーパーペガサスが2着に来ていますから、2、3着はあってもいいんですけど、やはりちょっと微妙なんですよね。

 まぁ、2、3着は“来そうな馬”をまんべんなく買ったほうがいいかもしれません。それはさておき、キタノタイショウかニュータカラコマが勝てば、史上2頭目の快挙となります。それは、「イレネー記念」(デビュー初年度のチャンピオン決定戦。JRAの朝日杯にあたる)と「ばんえい記念」のダブル制覇。前例は、76年の「イレネー記念」と80年の「ばんえい記念」(当時は『農林水産大臣賞典』)に勝ったダイケツだけです。

 ではみなさん、今年も「ばんえい記念」に熱いご声援をお願いします!!!

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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