厳しい1200mになる/高松宮記念

2014年03月29日(土) 18:00


◆単純に差し馬有利とはならない

 新中京コースの短距離戦は、ペースを問わず、最後に逆転が待っている印象が強い。中距離から長距離戦のスローだと、楽に行けた先行タイプが直線に向くとペースアップし、そのまま押し切るレースも珍しくないが、短距離戦でペースが落ち着いてしまうと、接近して追走できる後続は、もともと追っての鋭い切れを生かしたい馬が多いから、寸前での逆転に持ち込みやすいのだろう。

 新中京になってまだ、2年ちょっと。最初は「芝設定をだいぶ変えた」と言われ、12年の高松宮記念は1分10秒台だったから、現在とは大きく異なる。実際に現在とほぼ同じような芝で高松宮記念が行なわれたのは、1分08秒1(34秒3-33秒8)だった昨年が最初であり、オープンの芝1200mはほんの少ししか行なわれていない。

 マジンプロスパーがレコードで差し切り、ハクサンムーンがクビ差2着だったCBC賞は、1分08秒0(34秒2-33秒8)だった。

 今回の人気の中心ストレイトガールが中位から差し切った尾張Sは、1分08秒6(34秒5-34秒1)である。みんな前半の方がラップの遅い、変則の1200mに近い。

 コース形態はかなり違うが、牝馬レディオブオペラが4連勝した京都の1200mとほとんど同じようなバランスで、前半600mより、後半600mの方が速い後傾バランスである。

 これには前半のラップが速くなりにくいコース形態が影響しているが、京都と違って中京には最後の直線に上り坂があることを考慮すると、かなり特殊な1200mの中身というべきだろう。

 ちょっと前半飛ばすと、最後の直線が長くなったうえに上り坂ができたから苦しい。みんな慎重になりムキになって飛ばさないのである。とくにオープン馬は折り合いも付きやすい。なだめて行くことができる。

 でも、なんとしても勝たなくては意味のない下級条件では、馬も行きたがるから、あまりなだめずに行く。だから条件クラスでは、前半3ハロン「33秒台」は再三記録されているのではないか。という図式が推測がされるのである。

 意外なほど、オープンの1200mの前半は楽なペースになりがちな傾向がはっきりしてきたところで、新中京では歴史の浅い高松宮記念・・・

続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

新着コラム

コラムを探す