2014年04月07日(月) 12:00 28
▲今回は『馬サブロー×netkeiba.com』の特別コラボ企画
■参加メンバー
(調教班:栗東坂路、3歳本紙担当)
(厩舎班:池江泰寿厩舎ほか担当)
(厩舎班:松田博資厩舎ほか担当)
◆チューリップ賞より好状態で
赤見 今日はお集まりいただきありがとうございます。早速、桜花賞のお話からお聞きしたいのですが、今年は何と言ってもハープスターが出るということで、牝馬戦線のレベルはどんな印象ですか?
吉田 今年は間違いなくハイレベルですよ。函館から始まる夏の2歳戦、全部牝馬が持っていきましたからね(※)。デイリー杯2歳Sもホウライアキコが勝ったということで言えば、今年の牝馬はハイレベルです。
※函館2歳S・クリスマス、新潟2歳S・ハープスター、札幌2歳S・レッドリヴェール、小倉2歳S・ホウライアキコ
安里 たしかに、ハープスターの強さは目立っていますからね。
森田 ハイレベルの中でも、ハープスターは頭一つ抜けていますよね。
吉田 抜けたと思いますね。阪神JFで2着でも、力はやっぱり一枚上だなと思います。
赤見 ハープスターの強さは、皆さんが認めるところですね。レースで強いのはもちろん分かるんですが、普段見ていてどうですか? 森田さんは松田博厩舎のご担当ということですが?
森田 普段は何も手のかからない馬ですね。ブエナビスタもそうだったんですけど、追い切りでも余計な力を使わないんですよ。
赤見 厩務員さんはブエナビスタも担当されていた方なんですよね。
森田 そうなんです。ベガやアドマイヤキッスも担当されていたんですけど、あの人は違うんですよね。腕利きです。もちろん、厩舎自体の牝馬のレベルもすごいんですけど、一流馬でないにしてもしっかりと走らせるんです。だから、超一流の牝馬を任せたときはものすごい。そういう理由もあって、ハープスターは最初の頃から「これは走れるだろう」と思っていました。
赤見 最初に驚いたのは新潟2歳S。スタートで遅れて「あぁ、もう終わったな」と思ったら、あの瞬発力…。
吉田 今思えば、その2着がイスラボニータ(東スポ杯2歳S、共同通信杯など)ですもんね。
赤見 前走のチューリップ賞の評価はいかがですか? ハープスターが出るので、他に回った陣営もあったんでしょうか?
安里 やっぱりノーザン系の馬は使い分けましたよね。だから、チューリップ賞のハープスター以外のレベルには、疑問もありますが…。
吉田 藤原英厩舎の1勝馬(プリモンディアル)が注目されたぐらいですもんね。
赤見 そうなると、ハープスターとしては勝たないといけない一戦だったわけですね。
森田 1週前の追い切りがバタバタで、当週の追い切りも軽くて、ある人に「こんな追い切りでいいのか?」みたいなことも言われたんですけど、ビシビシやる追い切りだってできた中で、あえてソフトにとどめておいたということですからね。
吉田 スイッチが入っているかいないかですよね。1週前はまだ稽古で、スイッチも入ってなくて、当週は「レースなんだな」って分かったのかなと思うんですけど。まぁ、“前半ゆったり、上りはしっかり”という厩舎ですからね。
森田 そうそう。“ゆっくり入って終いだけ”というのが厩舎のパターンですからね。GIを幾つも勝っている厩舎がやっていることだから、それでいいんだろうと思っていたら、やっぱりその通りで。
吉田 あとは、順調にやっているかですね。チューリップ賞の過程からすると、1週前は「これ、どうなるんだろう?」って皆思ったでしょうけど、多分今回は、チューリップ賞よりは絶対に良く出てくると思います。
▲森田「GIを幾つも勝っている厩舎のやり方ですからね」
◆凱旋門賞への条件
赤見 仕上げの心配はなさそうと。
吉田 そうですね。あの強さですけど、もし負けるとしたら、母父ファルブラヴの血ですかね。あの血統って・・・
東奈緒美・赤見千尋
東奈緒美 1983年1月2日生まれ、三重県出身。タレントとして関西圏を中心にテレビやCMで活躍中。グリーンチャンネル「トレセンリポート」のレギュラーリポーターを務めたことで、競馬に興味を抱き、また多くの競馬関係者との交流を深めている。
赤見千尋 1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミック」で連載した「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍。