18番枠からクラシックを勝った馬たち

2014年04月12日(土) 12:00


◆比較的好成績な桜花賞の大外枠

 さぁ桜花賞。私はこのレース名が大好きです。春のクラシックシーズン幕開けを告げるのに、これほどふさわしいタイトルはないでしょう。しかも牝馬限定戦。華やかさとはかなさが表裏一体になっていて、それが桜のイメージにピッタリ重なります。余計なキャッチコピーは必要なし。実に見事なネーミングだと思います。

 さて、今年の主役はハープスター。なんと大外18番枠を引き当てました。コース形態や距離によっては不利と言われる大外枠ですが、18番のゼッケンをつけたクラシックホースって、けっこう記憶に残っているような気がするんです。そこで調べてみました。1991年10月に馬連が導入され、出走可能頭数が最大18頭となって以来、桜花賞、オークス、皐月賞、ダービー、菊花賞で18番の馬が勝ったのは、以下のとおりです。

【桜花賞】
95年(京都開催)=ワンダーパフューム
97年=キョウエイマーチ
07年=ダイワスカーレット

【オークス】
10年=サンテミリオン(アパパネと同着)

【皐月賞】
97年=サニーブライアン

【ダービー】
97年=サニーブライアン
01年=ジャングルポケット

【菊花賞】
91年=レオダーバン
04年=デルタブルース
06年=ソングオブウインド

 ちなみに、91年というのは大外枠の“当たり年”で、トウカイテイオーが皐月賞を18頭立ての18番、ダービーを20頭立ての20番で、さらにイソノルーブルがオークスを20頭立ての20番でそれぞれ優勝しています。つまり、桜花賞を除く4つのクラシックレースで大外枠に入った馬が勝っていたわけです。

 それはさておき、話を桜花賞に絞ると、89年のシャダイカグラが18頭立て18番で優勝、08年にエフティマイア、09年にはレッドディザイアが18番で2着に入っています。平成になってから去年までの25年間で18番枠の馬は1着4回2着2回。これは、他のクラシックレースに比べるとかなりの好成績と言えるのではありませんか?

 なにしろ桜花賞はまだ若い3歳牝馬同士の戦いですから、ちょっと馬群の中でモマれると、まともに走れなくなってしまう馬もいるはず。それが大外18番枠からの出走なら、下手に引っ掛からないかぎり不利なく走れるのかもしれません。ハープスターはいい枠を引き当てたと思うんですけど。

 ついでに言うと、2000年以降毎年18頭立てで行われている阪神ジュベナイルフィリーズで18番の馬が勝ったのは09年のアパパネだけ。あとは2着0回3着2回という成績です。はたしてハープスターの結果はいかに!

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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