競馬クイズ

2014年04月12日(土) 12:00


◆「ダービージョッキー」をテーマにクイズを

 今、札幌の生家でこの稿を書いている。もうすぐ桜花賞だというのに、窓の外を花吹雪ではなく本物の雪が舞っている。

 何かの間違いじゃないかと思うぐらい、寒い。間違っているのはおめえの頭のほうだと言われそうだが、ともあれ、寒い代わりに杉花粉が飛んでいないらしく、目がショボショボしなくて非常に助かる。

 何度も書いたが、私はいわゆる介護帰省をしょっちゅうしている。

 介護保険のサービスを使える人は、最も程度の軽い要支援1から、要支援2、要介護1……と重くなり、最高の要介護5まで7段階に分かれている。自宅にいる父は要介護2、入院中の母は要介護5である。

 介護といっても、私はそんな大それたことをしているわけではなく、父を連れて母の見舞いに行くほか、手続きだの打ち合わせだのがほとんどで、その合間にこうして仕事をしている。

 今週だけで7本の〆切があり、これが6本目だ。それはいいのだが、提出した5本のうち2本の〆切の日時を勘違いしており、1本は間違えて早く送り、もう1本は〆切が過ぎてから、編集者が「あのう……」と電話をしてきたので慌てて書いた。

 それらのうちの1本が、競馬史をテーマとしたクイズの原稿だった。毎回だいたい3問つくって送り、3問とも使われることもあれば2問だけ使われたり、という感じだ。

 今回も3問送ったのが、その勢いで、近いテーマのクイズをここで出してみようと思う。

 今回のテーマは「ダービージョッキー」。
 ということで、1問目。

■史上最年少でダービーを勝った騎手は、1943年にクリフジで制した前田長吉で、20歳3カ月15日でした。では、最年長でダービーを勝った騎手は誰でしょう。次の3人からお選びください。
(1)増沢末夫
(2)郷原洋行
(3)河内洋

 正解は、のちほどページ下部に記します。
 つづいて2問目。

■ダービー初勝利まで、最も数多くダービーに参戦した騎手は誰でしょう。
(1)河内洋
(2)加賀武見
(3)柴田政人

■史上初の騎手の父子によるダービー制覇を達成したのは?
(1)中島時一・中島啓之
(2)伊藤正四郎・伊藤正徳

 では、ここから正解コーナー。

 まず1問目。正解は(1)増沢末夫の48歳7カ月6日。1986年、ダイナガリバーでダービー2勝目を挙げた。(2)郷原洋行は45歳4カ月8日で史上3位、(3)河内洋は45歳3カ月7日で4位。なお、史上2位は1979年にカツラノハイセイコで勝った松本善登の45歳11カ月13日。

 つづいて2問目。正解は(3)の柴田政人で、19回目の参戦となった93年にウイニングチケットで優勝。44歳9カ月12日という史上5位の年長優勝だった。(2)加賀武見は15回目で、横山典弘と並ぶ3位タイ、(3)河内洋は17回目で2位である。

 3問目の正解は(1)の中島時一・中島啓之父子。達成されたのは、啓之がコーネルランサーで勝った74年。(2)の伊藤正四郎・伊藤正徳は史上2組目。3組目は武邦彦・武豊。もっかのところ、達成したのはこの3組のみ。

 あと、例えばテーマをひろげて「日本ダービー」とすれば、馬のきょうだいによる制覇なんかもクイズにできそうだ。

 これまできょうだいでダービーを制覇した馬は2組います。それは、次のうちどれとどれでしょう――と出題して、選択肢に「ビワハヤヒデ・ナリタブライアン」や「アグネスフライト・アグネスタキオン」「サクラチヨノオー・サクラホクトオー」などの強いきょうだいを加えて、正解の「カブトヤマ・ガヴァナー」と「ヒカルメイジ・コマツヒカリ」を入れたら……うーん、これは簡単すぎるかな。

 いつも以上にまとまりのない話になってしまった。

 雪はとうにやんでスカッと晴れた。手稲山の稜線がくっきり見える。こういうときは天気が崩れない。

 これを送ったら、また父と一緒に母の入院先に行く。母の病状はさらに進み、声は出せるが言葉はまったく発せなくなった。右手だけでなく左手の動きも鈍くなり、ベッドから車椅子への移乗(いじょう)介助も、前に来たときより力を要するようになった。

 ただ、感情を表情に出すことはでき、今回私が初めて病室に行ったとき、驚いてしばらく口をあけ、少し笑っていた。

 私もなるべく笑っているようにしたい。

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島田明宏

作家。1964年札幌生まれ。Number、優駿、うまレターほかに寄稿。著書に『誰も書かなかった武豊 決断』『消えた天才騎手 最年少ダービージョッキー・前田長吉の奇跡』(2011年度JRA賞馬事文化賞受賞作)など多数。netkeiba初出の小説『絆〜走れ奇跡の子馬〜』が2017年にドラマ化された。最新刊は競馬ミステリーシリーズ第6弾『ブリーダーズ・ロマン』。プロフィールイラストはよしだみほ画伯。バナーのポートレート撮影は桂伸也カメラマン。

関連サイト:島田明宏Web事務所

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