自在のスパート可能なイスラボニータ/皐月賞

2014年04月19日(土) 18:00


◆プラスの外的要因が多く加わったイスラボニータ

 枠順、芝コンディション、レースの流れなど、自身の能力に大きな「外的好条件」が加わることになった候補筆頭は、イスラボニータ(父フジキセキ)だろう。しなやかに、かつ鋭く回転するストライドが最大の長所である同馬の持ち味は、豊かなスピード能力。東京の芝1800mを1分45秒9の快レコードで乗り切り、スローの前回は上がり33秒2で一気に抜け出している。

 このフジキセキ譲りの自在なスピードをフルに生かすには、好位のインに素早くおさまることのできる内枠がいい。これまでフジキセキ産駒の皐月賞成績は計【0-3-0-4】。2着した2000年ダイタクリーヴァも、06年ドリームパスポート(ダービー3着、菊花賞2着)も、11年サダムパテック(東京開催)も、みんな内の2-4番枠だったという記録がある。

 イスラボニータは折り合い自在。好位のインから鞍上の指示に従い、瞬時にトップスピードに変速できる。切れのいいフットワークからみて、渋い馬場や、パワーを求められるタフな芝コンディションは歓迎ではないだろう。中山の芝は、Bコースに移った先々週はそうでもなかったのに、なぜか先週から一変にも近い時計の速い芝に急変している。1200mでも1秒0くらい速くなったのではないか、と思えるほどである。不思議な変化だが、イスラボニータにとってはプラス以外の何物でもない。

 バンドワゴンが回避して、強力な先行型は不在。江田照男騎手のクリノカンパニー、あるいは18番枠から一気に行ったサニーブライアンのように、外からウインフルブルームあたりが先行すると思えるが・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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