2014年04月23日(水) 12:00 22
【2歳】
●アールブリュット(牝 美浦・戸田博文 父Makfi、母イグジビットワン)父Makfiは英2000ギニー(G1)、ジャックルマロワ賞(仏G1)を勝った名マイラーで、とくに後者では女傑Goldikovaに2馬身半の差をつけて完勝した。名種牡馬Oasis Dreamや今年の英2000ギニー最有力候補のKingmanに配合構成が似ており、種牡馬としても期待できる。現2歳世代が初年度産駒。母イグジビットワンは「Sivler Hawk×Sadler's Wells」という血統どおりのスタミナ型で、芝2000mと2400mの伊G3を勝った。本馬は「マイラー×ステイヤー」なので芝中距離型だろう。2代父Dubawiの産駒は日本に4頭輸入され、1頭は未出走、2頭は未勝利馬。残る1頭フレデフォートは芝スプリント路線でOP入りを果たしている。日本の芝にも適性はありそうだ。本馬の兄2頭は未勝利馬(父はKingmamboとSea the Stars)。走るかどうかは父Makfiの能力次第だろう。
●エクシードリミッツ(牝 栗東・須貝尚介 父Exceed And Excel、母Welsh Diva)父Exceed and Excelはオーストラリア産馬。ドバイレーシングクラブC(豪G1・芝1400m)、ニューマーケットH(豪G1・芝1200m)を含めて12戦7勝という競走成績は、レベルの高いオーストラリアの芝短距離路線で挙げたものだけに優秀。種牡馬としても12-13年に豪リーディングサイアーに輝いた。25戦全勝の女傑Black Caviarの初年度の交配相手、ということからもその大物ぶりが分かる。JRAでは過去4頭の産駒が走り、3頭は未勝利だが、エクセルシオールは芝・ダート兼用の短距離馬としてOP入りを果たした。母Welsh Divaはセルジオクマーニ賞(伊G3・芝1600m)の勝ち馬。母の父Selkirkはクイーンエリザベス2世S(英G1・芝8f)を勝ったマイラー。本馬は「スプリンター×マイラー」という配合でDanzig 3×4。力強いスプリンターでダートもこなせそうだ。
●トーセンバジル(牡 栗東・藤原英昭 父ハービンジャー、母ケアレスウィスパー)2012年のセレクトセール当歳せりにおいて1億3500万円(税抜)で落札された高馬。母ケアレスウィスパーは関東オークス(GII)2着馬で、追い込みを武器にダート1700m以上で良績を残した。セールスポイントはその良血。トーセンジョーダン(11年天皇賞・秋-GIなど重賞4勝)、トーセンホマレボシ(12年京都新聞杯-GII、12年日本ダービー-GI・3着)、ダークメッセージ(08年日経新春杯-GII・2着)を兄弟に持ち、近親にはカンパニー、バトルバニヤン、トーセンスターダム、ニューベリー、レニングラード、スパイキュール、ヒストリカルなど活躍馬多数。父ハービンジャーは・・・
栗山求
68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG