※本日は青葉賞の見どころも更新しております。下部のバックナンバーよりご覧ください。

　昨秋の凱旋門賞4着以来の実戦を強烈な末脚で制したキズナが一時代を築くのか。それとも前走で完全復活を果たしたゴールドシップ、昨年の覇者フェノーメノ、前走で強烈な捲りを決めて改めてその力を示したウインバリアシオンなどがそれを阻止するのか。今後の古馬路線を占う意味で重要な一戦となる春の天皇賞。出走を予定している主な有力馬は以下の通り。

　キズナ(牡4、栗東・佐々木晶三厩舎)は昨秋の凱旋門賞で4着に入線した後、予定していた有馬記念をパス。それが良かったようで、前走の大阪杯では正に本格化を思わせる馬体と強烈な末脚を披露。今回は一気のメンバー強化となるが、ここを勝ってキズナ時代の到来を宣言することができるか。

　ゴールドシップ(牡5、栗東・須貝尚介厩舎)は昨秋に低迷が続いていたが、前走はそれが嘘のような行きっぷりで、2番手から楽に抜け出す完勝。強いゴールドシップが戻ってきたという印象だ。問題は昨年不発に終わった京都の高速馬場だが、先週の馬場傾向を見ると昨年よりも馬場が柔らかく造られている感じだし、それならば雪辱を果たせても良いだろう。キズナ時代の幕開けを阻止することができるか。

　ウインバリアシオン(牡6、栗東・松永昌博厩舎)はオルフェーヴルの存在に泣いてきた馬だが、前走の日経賞ではその鬱憤を晴らすような豪快な捲りで圧勝。改めて強烈に存在感を示した。一昨年は3着に敗れたが、前走の勝ちっ振りからはそれ以上を期待させられるところだ。

　フェノーメノ(牡5、美浦・戸田博文厩舎)はこのレースの昨年の覇者。宝塚記念4着後に脚部不安を発症して休養を余儀なくされたが、前走の日経賞で実戦に復帰。5着と脚部不安明けとしては上々の内容だったし、得意の京都長丁場で連覇を狙う。

　その他、前走のダイヤモンドSで長丁場への適性を示したフェイムゲーム(牡4、美浦・宗像義忠厩舎)、まさかの逃げで京都記念を制し新たな一面を見せたデスペラード(牡6、栗東・安達昭夫厩舎)、京都で巻き返しを期すサトノノブレス(牡4、栗東・池江泰寿厩舎)、古豪ジャガーメイル(牡10、美浦・堀宣行厩舎)なども上位争いを目指す。発走は15時40分。

【データ分析/過去10年】

人気…1人気は[1-0-1-8]とまったくといっていいほど人気に応えていない。変わって2人気は[3-2-1-4]連対率50%、複勝率60%と高く、連軸向き。ついで4人気[0-3-2-5]、3人気[1-3-0-6]の複勝率が高い。

前走…出走頭数が多い、ということもあるが、前走阪神大賞典組は[3-0-3-45]連対率5.9%、複勝率11.8%と低い。近年は大阪杯[2-3-2-17]連対率20.8%、日経賞[2-5-2-36]連対率20.0%と大阪杯より高い。

馬番…2012年のビートブラックや2004年のイングランディーレを始め、4角で先頭だった馬の成績は[3-2-1-4]連対率50%、複勝率60%とかなり高い。その後ろにいる2〜5番手の馬も[5-7-5-31]連対率25.0%、複勝率35.4%と優秀で先行有利か。ちなみに4角を11番手以下で回った馬は[0-0-1-65]複勝率1.5%と低く、馬券になったのは2012年のウインバリアシオンだけ。

◆ゴールドシップ

・陣営コメント/須貝調教師

「前走(阪神大賞典1着)は走りたいという気持ちが前面に出ていい走りができた。ここに向けて前走と同じぐらいの状態で来ています。1週前追い切りはしっかりと負荷をかけることができてかなり動いてくれました。一度使っても大きく変わらないけれど、それが何より。ここでも期待しています」

・一週前調教診断/井内利彰
　2週前追い切りに秋山真一郎騎手、1週前追い切りに荻野琢真騎手が跨って、Cコースでの併せ馬。これだけでもハードな内容になるが、1週前追い切りは6F76.5秒という、驚愕の時計をマーク。道中、引っ掛かって出た数字ではなく、まだ余力ある状態での時計。タフさは現役競走馬でも随一といったところ。
　問題は・・・