道営ホッカイドウ競馬開幕

2014年04月30日(水) 18:00

ラブミーブルー

開幕初日のメインレース、北斗盃を制したラブミーブルー


◆売り上げは昨年開幕日の1億432万円に対して、1億7319万円と健闘し、まずまずのスタート

 4月23日(水)、今年度の道営ホッカイドウ競馬が開幕した。これから11月まで80日間に及ぶ開催予定となる。開幕日の23日は好天に恵まれ、この日を待ちかねたファンが大勢訪れ、生の競馬を堪能した。

 昨秋以来半年ぶりの開催。23日にはJRA認定スーパーフレッシュチャレンジ競走(1着賞金300万円)が組まれ、全国で最も早い2歳戦が門別でスタートした。勝ったのはセイントアレックス産駒のフィーリンググー。桑村真騎手が騎乗、角川厩舎所属。(有)グランド牧場の生産・馬主で、今年の2歳馬の優勝第1号となった。

 この日のメインは「北斗盃」。今年で38回目を数える3歳3冠路線の第1弾。いきなり開幕日に伝統の一戦が行なわれるのはやや違和感があるのだが、番組編成上、これはやむを得ないのだろうか。さすがに日が落ちて暗くなってくるとまだまだこの時期の北海道は気温が低い。午後8時40分のスタートだったが、埒沿いで観戦するファンは少なく、大半がスタンドの中にとどまったままであった。

 レースは好位を進んだラブミーブルーが、1番人気のクリノエリザベスを1馬身2分の1交わしてゴールイン。今年ツキにツイている小林祥晃氏の所有馬で、鞍上は宮崎光行騎手、スーパーフレッシュチャレンジ競走に続き、角川厩舎が制した。生産牧場は新冠町のサンローゼン。これで通算成績を11戦3勝とした。

北斗盃口取り

ラブミーブルーの関係者が立ち並ぶ北斗盃の口取り風景

 初日ということもあって、この日の門別競馬場は1077人の入場人員を数えた。昨年の開幕日は曇り時々雨のあいにくの天候ながら1043人のファンが入場したが、今年はほんの少しだけ増えたことになる。ただ、売り上げは昨年の開幕日の1億432万円に対して、1億7319万円と健闘し、まずまずのスタートとなった。

 因みに翌24日(木)は重賞がなく、入場人員も632人、1億5686万円の売り上げにとどまったのだが、昨年の開幕2日目と比較すると、入場人員で68人、売り上げもちょうど1千万円伸びている。

 そして昨日の29日(火)は、「第4回コスモバルク記念」がメインであった。古馬オープンによる1800m戦で、12頭が顔を揃えた。副賞にJBC協会よりコンデュイット号の交配権利が生産者に贈られることになっている。

コスモバルク記念

コスモバルク記念を制したバルーン

 このレースを制したのは牡7歳のバルーン。父バブルガムフェロー、母スイートソウル(その父ソウルオブザマター)という血統で、2009年に中央でデビューし(東京)新馬勝ちを収めている。24戦3勝の成績を残し昨年6月よりホッカイドウ競馬に移籍。以来コンスタントに成績を残しており、これで転入してからの通算成績を7戦4勝とした。馬主は白井岳氏、井上俊彦騎手が騎乗、林和弘厩舎所属。

コスモバルク記念の口取り風景

多くの関係者が記念写真に収まったコスモバルク記念の口取り風景

 この日の門別も好天で、やはり日没とともに気温が低下したものの、まずまず競馬観戦には良い条件となった。休日と重なったこともあり、1764人の入場人員を数えた。売り上げも大きく伸ばし、2億7683万円を記録した。昨年のコスモバルク記念は5月3日に行なわれ、この日は雨のち曇りの天候で、2246人の入場人員を数えたが、売り上げは1億7059万円。人は入っていたものの売り上げの方はやや物足りない結果であった。しかし、今年はメインのコスモバルク記念単独で見ても、昨年の3709万円に対し、ほぼ倍増の7099万円を売り上げている。大半が場外での数字とはいえ、JRAのIPAT効果によるところが大きいようだ。休日のこの日、他場の開催は浦和、金沢、名古屋、園田といずれも昼間の開催で、ナイターが競合しなかったことも有利に働いたものと思われる。

 まだ当分北海道は夜間の気温が低い状態が続く。桜前線はようやく津軽海峡を越えたばかりだし、ビール片手に戸外で競馬を楽しむのはもう少し先のことになるが、徐々に気候が良くなるにつれて門別は間近で競馬を楽しめる絶好の場所になる。

 今年から、スタンド内の一角に、日高町の人気店である「いずみ食堂」がオープンした。また誘導馬の担当者が若い女性(佐藤舞さん=24歳)に変わった。ゴール前の照明もLEDとなり輝度を増している。機会あらばぜひ現地で観戦することをお勧めしたい。

佐藤舞さん

新たに誘導馬の担当者となった佐藤舞さん

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田中哲実

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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