歴代の名牝と並ぶパフォーマンスに期待/オークス

2014年05月24日(土) 18:00


◆女傑たちが素晴らしいレースを魅せてきたオークス

 前半は控えて後方から進み、「最後の直線は大外へ…」。ハープスター陣営の公言するレース展望は、先週の東京の芝コースの結果を振り返ると、きわめて大胆である。先週、高速コンディションの芝は少しきつい流れになっても、後方から外に持ち出して勝ち負けした馬は、一部の少頭数レースを除き、皆無に近かった。

 今週の芝が急に大きく変わることはない。その戦法でホントに届くのだろうか。大丈夫なのか。コースロスがあっては、最後は同じ脚いろになってしまうのではないだろうか。

 だが、桜花賞のハープスターは、見方によっては辛勝だが、あれは食い下がって上がり33秒4のレッドリヴェールを誉めるべきで(だから、ダービーに出走する)、時計の1分33秒3は桜花賞のタイレコード。上がり32秒9を記録した勝ち馬など史上初だった。

 陣営が早くから、超強気にハープスターのズバ抜けた能力に自信を深めたのは、新潟2歳Sの勝ち方だった。スローの新潟では、上がり3ハロン32秒5など少しも珍しくないが、長い新潟の直線、ハープスターは残り400mまで最後方追走。本気で追いつこう、ましてや差し切ろうなどというスパート態勢にまったく入れなかった。ところが、残り2ハロン付近でやおらストライドの回転を早めると、推定「10秒2-10秒8」。あっという間に3馬身も抜け出した。2ハロンだけのレースで、上がり32秒5。懸命に鋭く伸びて終い33秒7で2着したイスラボニータは完全にかすみ、ただの凡馬に映ったのである。

 上がりタイムは、馬場やレースの流れに大きく左右されるから、それだけで高い能力を示すとは限らない。だが・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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