2014年06月11日(水) 18:00 17
川須栄彦騎手が語る「数字の裏側」第2回。幅員や馬場状態など、騎手はどんなことを思っているのかを探っていきます。さらに競走馬別成績から、もっとも勝利をプレゼントしてくれた馬のことも語っていただきます!
(取材・文/大薮喬介)
■今年の夏はコクります!
――開催によって幅員が替わりますよね。場合によっては開催日の前半と後半で替わることもありますが、川須騎手は仮柵の移動を意識されたりしますか?
川須 もちろんしますよ。といっても、頭の片隅に置いておくくらいですね。それよりも馬場の荒れ具合を意識します。とくに開催が進むにつれて荒れてくると、どこを通ったらいいかをすごく考えますね。内が荒れているからといって、じゃあ外を回ったほうがいいかというと、距離を走らせてしまうし。馬力があれば、ロスのない内を通る選択肢もありますけど、どこを通るかは本当に難しいんですよ。だから、同じ競馬場でも1レース1レース、馬に合わせて乗っていますね。
――レースが進むにつれて、進路取りがわかってくることもあるんじゃないですか?
川須 そうですね。ただ、土曜日の午前中は内を通ったほうが有利だったのに、日曜日の午後になったら外差しが決まるようになったりすることもあるんですよ。まあ、馬場だけが原因ではないと思うんですけど。外差しが決まったときは、たまたま勝った馬の力が抜けていただけかもしれませんし。
――それをどう読むかが騎手の見せ所なんでしょうね。では、稍重や重馬場などはどうでしょう? ちなみに、川須騎手はダートの稍重がもっとも成績がいいです。
川須栄彦騎手馬場状態別成績
川須 ダートの場合は、稍重や重だと時計が速くなるので、後ろからの競馬だと勝負にならないことが多いですよね。だから、意識的に前で競馬をするようにはしています。まぁ、馬場うんぬんではなく、常に“勝負できる位置にいる”ということを意識しているので、重だからといって特別な意識はないんですけど。
――芝はどうですか? 最近、不良馬場はめったにないですが、競馬をしにくいと思ったりはしませんか?
川須 う~ん、それはないですね。走っているのは馬たちなので。ただ、雨は降ってほしくない!
――ああ、視界が見づらくなるからですよね。
川須 そうです。あっ、馬場でいえば、去年の函館はひどかったです。時計がいつもよりも10秒くらい遅かったので、初めて馬場で悩みました。行ったら行ったで止まってしまうし、後ろから行けば届かないし。普段だと、少々の重馬場なら、馬を上手にエスコートすれば大丈夫だと思っているんですけど、あのときは本当に難しかったです。
――確かに去年の函館はひどかったですよね。ちなみに、今年も函館に参戦するんですか?
川須 いや、今年は・・・
ジョッキーズ
元祖「キシュトーーク」のレギュラー陣、国分恭介、国分優作、松山弘平、川須栄彦、高倉稜を中心に、栗東・美浦・地方からも幅広く、これからの競馬界を担うU25の若手ジョッキーたちが登場します!