2014年06月20日(金) 18:00
◆東京では常に接戦
29日に宝塚記念はあるものの、連続した前半戦のビッグレースシーズンは終了している。降雨の影響があった。ワールドカップも重なっている。早くも夏休みに入ってしまったかのように、競馬場の入場人員も、売り上げもここ2週かなり減っている。たしかに春のようにはメンバーは揃わないが、味のあるレースを期待して検討しよう。
それもただ5着以内に食い込んでいるのではなく、この東京コースに限れば勝った前回(2着馬との差)を含み、全7戦の勝ち馬との差は「0秒1、0秒0、0秒1、0秒1、0秒0、0秒0、0秒1」差。必ず勝ち負けのきわどい勝負に持ち込んでいるのである。ほとんどが写真判定に近い。きわめて珍しい成績である。
そういう東京芝で勝ったのは、実は前回が初めてだった。いつも接戦に持ち込んでいるのに勝ち切れないのは、勝負強いのではなく、その逆であることを察知したテン乗りの福永騎手は、直線に向くと意識的に1番外に回った。それも内に並んだ馬から外にちょっと離すような意図的なコース取りをしたところ、あっさり差し切って自己最高にも近い上がり33秒2。スパッと切れたのである。
1000万下のハンデ戦を56キロで、例によってきわどい「0秒1」差で勝った馬に、ひと皮むけたとか、やっと本格化の兆しなどと誉めるのは良くないが、初めて東京で勝ったこと。必死の半馬身差ではなかったこと。上のフェデラリストが本格化して一気に4連勝し重賞2連勝の成長力を示したのは、遅咲きの4歳後半から5歳にかけてだったことを考え合わせ、格上がりのここでも十分通用するはずだと期待したい。
テン乗り内田博幸騎手は、追い込むこの馬をおそらく前回と同様に外に回すのではないか、という読みもある。凡走なしの東京コース、4勝中2勝の2000m。手ごろな頭数。条件はベストに近い。少し渋ってもOK。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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