スピードの時代だからこそ・・・(2)


雨は止んだが、芝コースは水をどっぷり含んだ不良馬場。スタミナ勝負になれば、この馬は負けない。そう考えたファンも多くいるだろう。

結果は人気通りの3着。すぐ後ろにつけていたエピファネイアが5馬身差で勝利し、力を見せ付けた。絶好の条件だったバンデとしては物足りない結果にも映ったが、それでも直線半ばまでは見せ場を作った。

「多少ハミを噛んだところもあったが、道悪など条件がそろっていたことも確か。来春までにしっかりと力をつけ、賞金を稼いでおきたい」

矢作調教師はこう語り、新たなスタートを切ることを誓った。


そして、3/1(土)の阪神9R・御堂筋S。バンデは少頭数のこのレースをまたもや逃げ切り、OP入りを果たした。馬体重は菊花賞に比べ18キロ増の508キロと、4歳を迎えて成長した姿を見せつけた。

バンデは、他の馬が持たぬスタミナを武器に、春のレースを戦ってゆくのだ。日本の馬場はサンデーサイレンス系などの切れ味に富んだスピードタイプに向いている。バンデと同じアイルランド産馬はやや苦戦気味でもある。

それでも、この馬ならと私は思ってしまうのだ。スピード化が進む日本競馬のなかでキラリと輝く底なしのスタミナ、そして古馬になってより強くなる成長力。この馬の武器は、いずれ日本のサラブレッドが欲するものである。どうにか天皇賞、あるいは海外の長距離G1を勝って、種牡馬になってもらえないだろうか。

バンデの次走はG2・阪神大賞典。ゴールドシップなどを相手に、どれだけの競馬をしてくれるのか目が離せない。