2014年07月10日(木) 12:00
重賞初制覇を成し遂げた馬のここまでを知ると、その希望、決心がしっかりあったことが分かる。ラジオNIKKEI賞といえば、3歳馬出世レースのひとつ。マツリダゴッホ産駒初の重賞勝ちともなったウインマーレライは、2歳の早い時期に2勝してクラシックを目ざしていたが、荒削りな面が解消されず折り合いを欠くレースが続いていた。
その克服のためメンコを付けたことで変化が見え、レースでの落ち着きが感じられるようになっていた。スプリングS、青葉賞と着順が悪かったのでその変化に気づく者は少なかったが、前走の青葉賞はそれまでになく好位でしっかり折り合っていたのだった。最後のひと伸びがなかったのは距離のせい、2勝している千八百米ならという希望は持てた。今なら自在な立ち回りは可能と、レースは3番手の内につけて手応え十分。松岡騎手は、絵に描いたような抜け出しで勝利をつかんでいた。好タイムでの快勝、秋へ向けて視界は良好となった。
希望を持つことが前提で、その道すじをつくる決心、その繰り返しが成果を生む、そんな重賞勝ち馬が、これからも生まれてくるだろう。福島競馬といえば思い出すツインターボも、実は大変な馬だった。人がまたがると徹底的に反抗するむずかしい性格で、どう好きなように走らせるか、そこに課題があった。あの大逃げはそこから生まれ、ここにも、希望と決心があったのだった。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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