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夏生まれの日本産馬、スターダムに
2014年03月13日(木) 12:10
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「異色の馬」、強豪に挑む―
今週の中日新聞杯のある登録馬のプロフィールを見て、ハッとした人は多いのではないだろうか。マーティンボロ、父ディープインパクト・母ハルーワソング、「8月20日生まれ」―。
通常のサラブレッドは、遅くても6月ごろまでには生まれる。馬の繁殖期は決まっているのだ。また、それに合わせて競馬の番組は組まれている。
ところがこの馬は、2009年の8月の暑い日に、この世に生を受けた。
生産牧場の実験的な挑戦により、季節外れに生まれるように事が進められていたのだ。
もちろんデビューは遅れたものとなった。3歳の3月にデビューすると、惜敗と惨敗を繰り返しながら未勝利戦を戦った。他の馬より『猶予期間』は短い。初勝利は8月となった。
その後は条件戦を順調に勝ち上がった。他の馬との『ハンデキャップ』も小さくなり、5歳を迎えた今年初戦の飛鳥ステークスではヘミングウェイなどの実力馬を相手に差し切り勝ちを収めた。
そして、この馬を語る上でもうひとつ重要なファクターがある。この馬の全兄、フレールジャックのことである。
フレールジャックは、2011年のラジオNIKKEI賞を勝利したが、4歳夏に準オープンに降級。その後、再びオープン入り・重賞戦線の一角と目されたが、去年の中京記念で故障。予後不良となり、天に召された。
その弟が、遅生まれのハンデを克服し、重賞に挑戦する。相手は強くなるが、どうにか天国の兄に良い結果を届けてくれないだろうか・・・。
『異端』と『悲劇』を背景に持つ一頭の素質馬が、スターダムに昇るための大きな一歩を踏み出す。
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