2014年08月26日(火) 18:00 26
好メンバーが揃った札幌記念
新名所・もいわテラスで競馬観戦
この日は朝からたくさんのファンが並び、開門と同時に競馬場は熱気に包まれました。パドックからコースに向かうのも一苦労。時間を追うごとに、さらにファンは増え続け、11レースのパドックが始まる頃には、どこもかしこも身動き出来ない状態に…。みんなの目線の先に出走馬たちが現れると、辺りは熱気と共に緊張感が漂いました。
グランドオープンした札幌競馬場にはたくさんのファンが朝から並んでいました
1番人気はゴールドシップ。いつも通りの2人曳きで、穏やかな表情でリラックスして歩いているように見えました。2番人気ハープスターは、初めての古馬との対戦にもかかわらず、こちらもいつも通り。すぐ後ろから、先輩のホエールキャプチャが迫って来ても、マイペースにゆったりと周回を続けます。
号令が掛かって、ジョッキーたちが愛馬に跨ると、最初にパドックを出たのはゴールドシップ。コースに出ると、スタンドとは反対の左側へ歩き出し、他の馬たちが次々に右へ走って行っても、のんびりと歩いたり止まったり。ほとんどの馬たちが行ってしまうと、徐々に右へ歩き出し、コース上で見守る須貝尚介調教師の傍に行きました。まるで会話をしているようにハナを撫でてもらうと、横山典弘騎手の「よーし、行こう!」という掛け声と共に、リラックスして走って行きました。
対するハープスターは、馬番順通りにコースに登場すると、珍しく大暴れ。スタンドから見ていたファンから、「おお!」という声が上がるほど、元気な一発でした。
レースは前半58秒台のハイペースになり、3コーナーからはハープスターとゴールドシップが外からマクリ気味に上がって来て、すでに一騎打ちの様相。2頭の脚色は衰えることなく、3着以降を離してゴール板を駆け抜けて行きました。
1着ハープスター
川田将雅騎手
「凱旋門賞という大目標があり、まだ目一杯の仕上げというわけではない中で、勝ててホッとしています。
返し馬でやんちゃしましたけど、元気がある証拠だと前向きに捉えました。跨った雰囲気も良かったですし、ゲートも上手に出てくれましたね。前半はいいリズムで行けましたし、3コーナーから少しずつ上がって行って、いいポジションが取れました。向正面でゴールドシップの位置をチェックしましたけど、あくまでも自分のリズムで行くことが出来ました。
札幌は小回りで、得意のコースというわけではない中で、凱旋門賞に向けていいレースが出来ましたね。あとは、このまま無事にいってくれればと思います」
川田将雅騎手「凱旋門賞に向けていいレースが出来ましたね。あとは、このまま無事にいってくれればと思います」
2着ゴールドシップ
須貝尚介調教師
「最後は5キロの斤量差ですね。函館からの輸送もありましたし、よく頑張ってくれました。
後ろの馬たちはだいぶ離しているし、ハープスターも強さを活かしたレースをしましたね。ゲートはちゃんと出ましたが、あそこまで行けないとは…。でもそれも、シップとのりちゃんのリズムなんでね。この馬の強さは証明出来たんじゃないかなと思います。
ハープスターも強い馬ですし、今回の負けは仕方ないですね。フランスでまたお互い頑張れればと思います」
しびれるようなレースを見せてくれた2頭に、心からありがとうと言いたいです。さらに、ジャスタウェイを加える日本勢。今年こそは…フランスの凱旋門賞へと、大きく期待が膨らみました!
須貝尚介調教師「この馬の強さは証明出来たんじゃないかなと思います」
3着ホエールキャプチャ
蛯名正義騎手
「よく頑張ってくれました。大健闘ですね!上位2頭が外から動いた時には、我慢して内を回ることにこだわりました。
今回はいかにも休み明けという感じでしたけど、気持ちの強い馬で、これだけ強いメンバーの中、本当に頑張ってくれましたね」
4着ラブイズブーシェ
古川吉洋騎手
「相手も強かったですし、インを狙って窮屈になってしまったのは仕方ないですね。出来がいい状態で強い相手に挑めましたし、よく頑張ってくれました」
5着エアソミュール
戸崎圭太騎手
「多少ハミを噛む場面もありましたが、想定内でした。落ち着いてレースが出来ましたし、終いも頑張ってくれましたね」
6着タマモベストプレイ
和田竜二騎手
「手応え十分で回って来たんですけど、詰まってしまって、脚を余す結果になってしまいました…。このメンバーでも、十分戦えますね」
8着ロゴタイプ
村田一誠騎手
「リズム重視で乗りましたが、流れが速くてムキになってしまいました。最後、一脚使えればと思っていたんですけど、一瞬も脚を使っていないです。調教の動きも雰囲気も良かったので、とても残念です」
9着ナカヤマナイト
柴田善臣騎手
「3コーナーで手応えがなく、上位馬が動いて来た時に、抵抗できませんでした。春先と比べてもう一息というか、まだ本調子ではないのかなと思います」
10着スーパームーン
ナッシュ・ローウィラー騎手
「前半は良かったんですけど、ハープスターとゴールドシップが動いた時に、付いて行こうとしても付いて行くことが出来ませんでした」
11着トウケイヘイロー
四位洋文騎手
「返し馬の雰囲気は良かったんですけど、ゲートを出てスイッチが入ってしまいました。久しぶりもあるし、この馬の気性を考えても、無理に抑えないほうがいいと考えて乗りました。今回は申し訳ない結果になってしまいましたが、これを使って次はもっと良くなってくれると思います」
12着ムーンリットレイク
菱田裕二騎手
「今回は番手にこだわるレースをしました。結果、ペースが速かったんですけど…。自分のレースに徹しました」
13着ルルーシュ
福永祐一騎手
「乗った感じは良かったので、楽しみにしていたんですけど…。序盤はイメージ通りに進めましたが、3コーナー過ぎで息切れしてしまいました。今回使って、次はもっと良くなると思います」
14着アドマイヤフライト
藤岡康太騎手
「道中で全然進んで行かないし、ここまで動きが変わってしまうと…。あまりにもね。何ともなければいいんですけど」(取材、写真:赤見千尋)
常石勝義
常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30~)に出演中。