2014年09月16日(火) 18:00 60
▲今週は天才と言われた福永洋一さんの騎乗を分析
先週のコラムにも書いたが、つい先日、初めてじっくりと父親のレース映像を見た。70分くらいの映像だったけれど、そのなかにはたくさんのレース映像が入っていて、それらをひとつひとつコマ送りで見た率直な感想は──。
「あの時代にあれをやっていたら、そりゃあ勝つわ」という一言に尽きる。初めて父親のすごさがわかったし、9年連続のリーディングも納得だった。
今、自分がコーチを付けて、何年もかけて会得しようとしていることを、40年前の父親が、おそらく自分の感覚だけでやっていた。自分がそれに取り組み始めたのが2010年。そのおかげで勝ち星が伸びて、リーディングを獲れるまでになった。でも、40年前に、同じようなことを独学、あるいは感覚だけでやっていたのが福永洋一。今、自分のコーチが映像を観ても、「あっ!」とすぐにわかるはずだ。
その技術を言葉で説明するのはなかなか難しい。レース映像でも、コマ送りで見て初めてわかることだ。
映像のなかの他のジョッキーと比べると、まず馬の受け方、構えが違うし、懐の深さも違う。なによりバランスの軸が常に・・・
福永祐一
1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。