2014年10月16日(木) 12:00
▲1番人気必至、秋華賞へ挑むヌーヴォレコルト鞍上・岩田康誠
2014年、オークス。大外に持ち出した大本命ハープスターは、なかなかエンジンが掛からない。届くのか──全国の競馬ファンが固唾を呑んで見守るなか、いち早く馬場の真ん中から抜け出してきたのは、岩田康誠が操るヌーヴォレコルトだった。
大外から猛追するハープスターをクビ差凌いでのトップゴール。これにて岩田は、桜花賞(2012年ジェンティルドンナ)、皐月賞(2009年アンライバルド、2010年ヴィクトワールピサ)、オークス(2014年ヌーヴォレコルト)、ダービー(2012年ディープブリランテ)、菊花賞(2004年デルタブルース)の五大クラシック制覇を成し遂げた。
レース直後の勝利ジョッキーインタビュー。インタビュアーから史上7人目となるこの快挙についてコメントを求められた岩田は、
「それよりも…」
声を絞り出すようにして話し始めた。
「3週間前に後藤さんを落としてしまった自分の不甲斐なさを反省しております。後藤さんには1日でも早く復帰してもらいたいです」
本来なら、晴れやかな表情で勝利の喜びを語るべき時間。しかし、岩田の顔には、GIを制した直後の高揚もなければ、大本命を封じ込めた喜びの欠片もなかった。そこには、ただただ悲痛な表情で言葉を絞り出す、見たことのない岩田康誠がいた。
「(ヌーヴォレコルトの)馬主さんや調教師さん、スタッフのみなさんには申し訳ないと思ったんですが…。本来ならサングレアルで勝ったときの(後藤騎手の落馬があった直後のフローラS)インタビューで謝罪するべきだったんです。ただ、あのときは自分自身も混乱していて…。本当に申し訳なかったです」・・・
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