2004年01月21日(水) 14:58
厳寒の中、特に注目されるのが、春のクラシック戦線をにらむ3歳馬。例年、手応えをつかんでいるものは、この時期は無理をしないので、一歩引いて見ていればいいのですが、だからと言って、これぞ主力とはっきり推せるものもいません。ぼんやりと、まだもやの中です。
シンザン記念と京成杯が終わり、朝日杯敗戦組のグレイトジャーニーとフォーカルポイントが勝ったことで、一月の段階では、いつもの通りと見るべきなのでしょう。少しでもレースの仕方をつかんでいるもの、上のレベルの中でもまれてきたものが、そのまま、そのキャリアを生かしたということです。
この先、勢力図がどうなっていくかは、全くと言っていいほどわかりません。
ここ2年の朝日杯が、その時点で完成度の高い馬、つまり、他よりも少しでもキャリアを積んでいたものが勝利していて、暮から年明けという時期の、3歳世代のグレードレースの在り方がはっきり見えているのです。
無敗でグレードレースを勝つ馬がいれば、それはそれで、先の期待度もふくらもうというものですが、それがいないとなれば、クラシック前哨戦は、まだ始まっていないといってもいいでしょう。
ただ、いつものときも、一線毎に大きく成長する馬がいて、かつての序列を覆すことは考えられます。あまり、新勢力にこだわっていると目の前の動きに気づかずに見逃してしまいます。
要するに、下馬評は、あまりは早くから立てない方がいいのです。最初に見込みがあると期待した馬は、一度や二度の敗戦で見限らずに、大きな目でその成長を待つぐらいのゆとりがあっていいでしょう。牡馬なら、皐月賞よりダービーを、牝馬なら、桜花賞よりオークスを見据えてと。これぐらいのスタンスでいると、春の4つのクラシックは、意外に良く見えてくると思っています。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。