ビュイックのリアリティーと蛯名のリアリティーと、抽選組でファンタジー

2014年12月11日(木) 12:00 55


有馬記念の枠順決定の方式がニギニギしい感じに替わると発表された。

抽選順に希望する馬番を選択できる方式で、テレビ中継もされるらしい。

この方式の正式名称を自分は知らないけれど、新聞社によっては「枠順ドラフト」と称するところもあった。抽選に挑む側の駆け引きや選ばれないメンツの方が圧倒的に多い野球やPOGのドラフトとは厳密には違うけれど、欲しいもの(この場合は馬番)を抽選で奪い合うという意味ではドラフトと言えるのかもしれない。

いずれにせよ、ドラフトの盛り上がりにはスター(もしくはスター候補)の存在が不可欠だ。野球でもPOGでも、そこが物足りないと盛り上がりには欠ける。
つまり、この場合は有馬記念に出走するメンツが揃うかが一番大事なわけで、現在、出走を表明している馬たちが本当にみな揃うならば、なかなかのメンツになりそうで、ニギニギしい枠順決定になるかもしれない。

っていうか、この方式になるから出走して来る馬もいそうだ。希望枠番の抽選があって、テレビ中継まであったら、馬主だって、取りあえず今年は参加したくなるはず。有馬記念には勝負とお祭りが同居していて欲しいと願う自分としては、今年は妄察しがいのある有馬になりそうで、楽しみだ。

ちなみに有馬記念のオッズにも独特な傾向があって、面白い。
ここでは、天皇賞秋の0オッズや富士Sの美オッズについて、書いたと思うけれど、有馬は奥オッズが面白い。
有馬記念のオッズの過去歴を見てると、余力もないのに人気だけは集めてしまう馬や、息を潜めて一発を狙う馬や、息を潜めているわけでもないのに勝手にナイガシロにされてる馬なんかが見えてきて、無闇矢鱈に穴を狙いたくなる。おっと、まだ有馬には早い早い。奥オッズに興味のある方はただ今発売中の競馬王1月号でお願いします。ほんの少し頑張ってみました。

今年の阪神JFはちょっとつかみ所のない感じがする。
牝馬戦線の大黒柱に成長する馬がここにいるのかもしれないけれど、今のところ万人が認める柱が見えて来ない感じだ。

理由1 去年が凄すぎた。
去年は、ハープスターだけでなく、他の馬たちも牡馬相手の重賞や特別レースで勝ち負けしていた。2歳のこの時期にしては、それなりの実績を持った馬が何頭もいて、ベースが高そうだった。
ホウライアキコ・小倉2歳1着&デイリー杯1着、レッドリヴェール・札幌2歳1着……少ないキャリアで濃厚な経験値を積んだ馬たちが他にも数頭いた。

しかし今年は、そこが少し物足りない。1200以外の牡馬混合重賞で勝ち負けした馬は1頭もいない。秋以後、牡馬混合の特別レースを勝った馬は、からまつ賞(500万)1着のショウナンアデラと秋明菊賞(500万)1着のムーンエクスプレスしかいない。

重賞ホースは3頭いるけど、みな人気薄だ。しかもその後レースに出走していないから、今ひとつ信用しにくい。

小倉2歳S 15人気1着 オーミアリス
ファンタジーS 14人気1着 クールホタルビ
アルテミスS 9人気1着 ココロノアイ

1人気で1着しないとダメとは言わないけれど、この人気は薄すぎる。だから本当は強いのかもしれないけど、ついつい疑ってしまう。

理由2・・・

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かしわでちょうほう

競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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